子どもたちがまだ小さかったある日のこと
お友達の家から帰ってくるやこんなことを言いました。
「○○ちゃんのママって17歳なんだって!」
えっ?
ということは9歳か10歳で子どもを産んだわけ???
「そんなわけないでしょう? 聞き間違えたんじゃない?」
「ううん、『おばちゃん、何歳?』って聞いたら、『私? ふふ、17歳よ。』って言ったよ。』
「何歳?」と聞かれて
大人になら冗談は通じても、子供には無理です。
だって子供たちには
「若く見られたい」だの「若い時に戻りたい」だの
「若い方が得だ」などという感覚は全くないからです。
昨日の「ごろ合わせ」に続いて、今日のテーマもチョー日本的(笑)!!
世界中をうろうろして、いろいろな所に住んできましたが
「年齢」に対する私たち日本人の感覚というのは
良くも悪くもかなり面白いものだと思います。
ちょっと周りを見回しても
入念に化粧を施し、上から下までブランド物でびしっと決めている50代の女性が、
「私みたいな老女が、、、、」などと言い
どこからどうみたって血気盛んな60そこそこのご夫婦が、
「私たち老夫婦は、、、、、」などと言います。
だからと言って、ご本人たちが本当にそう思っているかと言ったら
実は全く違うような気がします。
つまり、これらは一種の反語です。
朝日新聞に連載中の林真理子さんの「マイストーリー」に、こんな箇所がありました。
「(前略)『それに、私みたいな田舎のおばさんに教えたって、どうっていうことないし』
最後の言葉はあまりにも空疎に聞こえた。本人が全くそんなことを考えてもいないとばかり、突然早口となったからだ。おそらくこの言葉は、『そんなことはないでしょう』と対語になっているに違いない。」
まさにそんな感じ(笑)。
私にとって、年齢はニュートラルです。
ですから、年齢を問われればいつだって本当の年を答えます。
誇らしく思うこともなければ、恥ずかしく思うこともありません。
「ねえ、私、何歳に見える?」なんていう質問もしません。
だって、こう聞かれたら誰だって一瞬とまどって
「う~ん、どう見たって○○才ぐらいだけれど、正直に言うわけにいかないから
サバ読んで低めに言っておこう。」と思うでしょう?(笑)。
そんなことを面白おかしく考えていたら
昨日の朝刊で、スウェーデンからの留学生のこんな投書を見つけました。
「『日本語を勉強するために来た』と言うと『何歳ですか』と聞かれることが多い。28歳で学生であることは多くの日本人からするとちょっとおかしいらしい。30歳になる女性の友達は『早くいい仕事に就いて、結婚して、子どもを作らないといけない。』というようなことを言う。大変そうだ。スウェーデンでは高校卒業後に大学へすぐに入らず、旅行をしたりアルバイトをしたりすることはごく普通だ。30歳で結婚していなくても、多くの人は気にしない。(中略)日本人は年齢によるプレッシャーについてどう思っているのだろう。」
本当にこの学生の言う通り!
「○○歳だからきっとXXだろう」とか
もう□□歳だからこうしなきゃいけない」などという方程式はとても日本的。
要するに、ごく普通に、ごく自然体に、一年ずつ年齢を重ねていけばいいだけなのですから。
若いことがいいことでも、年を取ることが悪いことでもありません。
こればかりは全ての人に共通な生物学的プロセスです。
と同時に、いろいろな○○歳があり、いろいろな□□歳があって当たり前です。
日本の外で暮らす時間が長くなって
だんだんとそんな風に思うようになりました。
写真はシアトルの家の窓から見える「上る朝日」と「沈む夕日」です。
ね、どちらもそれぞれに美しいとは思いませんか?
読んでくださってありがとうございました。
今日もどうぞ良い一日でありますように!
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