今日は、ある声楽の生徒さんのことを少しだけ書こうかなと思います。
90歳目前の女性。私の生徒さんの中では一番ベテランの方です。
いつも元気で明るく、前向きで好奇心旺盛。
常に新たな挑戦を恐れず、私にとっては人生の目標でありお手本。
訪問レッスンで、時には手製のお料理を振る舞ってくださり
その度に私を叱咤激励し、応援してくださいました。
今年も生徒さんたちの発表会を無事に終えて、ここ2年
ご病気で出演が叶わなかった彼女に、動画とともに報告しようかな…
と思っていた矢先の訃報でした。
「先生は歌わなきゃダメよ〜!」っていつも言われていました。
ヘタレで、すぐ挫ける私には、こういう励ましがどんなにありがたいか。
ご遺志に従って、お葬儀で讃美歌を献唱させていただきましたが
亡くなってもなお、こうして私は励まされているのだと
勝手な想像ですが、そんな風に思えて涙が溢れました。
最後の讃美歌で歌った歌詞のように「また会う日まで」頑張らなくては...と。
発表会のビデオを撮影した夫もよく覚えていて、その時の写真を
部屋に飾って、二人で偲んでいます。
最後に一緒に取り組んだのは、モーツァルトの
「ラウラに寄せる夕べの想い」だったと思います。
改めてこの歌詞の意味が胸に迫って染みわたります。