黄昏オーディオ

ちょっとだけオーディオ。

音の夕映(前編)

2010-06-22 23:32:14 | 書籍・読書

先日の「オーディオ巡礼」に続いて、また古いオーディオに関する本を読んでいます。昭和54年発行、池田圭著「音の夕映」。この本は以前にも借りて読んだことがあり、いろいろと興味深いことが書いてあったなぁと漠とした印象があり、再度読み直したくなり探していました。古書でも探しているのですが、なかなか見つからず、いつも利用している図書館にも蔵書が無いため、足立区の図書館からの特別貸し出しです。神戸では兵庫県立図書館に蔵書がありました。なかなか入手困難ですが、なかなか面白い本です。

三つの時から蓄音機とレコードを楽しんで、一度も会社勤めをせず、聞かなかった日は数えるばかりという、オーディオが仕事という彼の文章は、五味康祐氏のそれとはまた違って意味で重々しいですね。五味氏の場合、他者との対比での自己の顕示のように思える節がありますが、池田氏の場合、ひたすら自分との反芻のように感じます。オーディオに対して五味氏とは違った厳しい側面を持ち合わせています。
五味氏の場合、オーディオはなんだかんだで、とても重要なものではありながら、やはり趣味であると思いますが、池田氏の場合はオーディオは金を稼ぐという意味ではなく、人生の生業としての仕事であったようです。

いずれにせよ僕などは昨日もオーディオ今日もオーディオ、日毎夜毎ハイファイ録・再を追求して休む暇も無い。
幽蘭前庭ニ生ジテ
薫風ノ来ルヲ待ツ
などという心境には全くなれない、いわゆる「趣味のオーディオ」の装置など聞いている暇は全く無い訳である。


またそろそろオーディオはそこそこに音楽を楽しもうなんて思っている私には耳の痛い話ですが、

所詮オーディオ装置とは音楽を聞くための手段・道具であるに過ぎないと改めて面と向かって言われると、そういう考え方ならば、何も僕にオーディオ装置を聞いてもらう必要はないのではないかと応えたくなる。レコードの内容が名曲の名演奏でありそれが聞く人の好みに合うならば、それはもう録音が悪かろうが、再生が拙かろうが良い音に聞こえるのは当然である。しかし僕などにはそれから先があって、そのいい音をよりいい音に聞こうというのが僕の仕事である。

そうした深みに自ら望んで進んでいったということなんでしょう。オーディオ道とでもいえる道を歩んでいかれたようです。

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