長いお別れはアメリカで認知症を意味することから付いた題名。
10年に渡る老々介護が題材の小説。
著者の父親の病気進行を実際に経験しているだけに、
もちろん、誰でもが同じ病状を辿るわけではないけれど、
嘘、絵空事で書かれた感がなかった。
介護保険の利用もこの手の小説に多い、首を傾げる場面、突っ込みどころもなかった。
調べて書いたではない、当事者ならはの事と思う。
主たる介護者の妻が我が身犠牲とは思わず、懸命な介護に走る姿、
母親が入院する事態になってからの
アメリカ在住、国内在住の既婚、独身三人姉妹の対応、慌てぶりなど、
家族愛に溢れていて、ほっとする。
著者ならではの深刻な出来事をユーモアタッチで重く感じさせずに読ませる。
ADLも大事だけどQOL。
と、 お父さんのほ 本当の気持ちに寄り添おうとする姿にも形を激励。
簡単なようで細かな日常トラブルに翻弄されれてそれどころでないのが、
よくあるパターン。。
毎日、毎日、いつまで続くか分からない介護。
綺麗事を言うなとお叱りもおこりそうだけど、
壊れてきても大事な大事なお父さん。
当たり前が見えなくなりそうなのが介護とも言えるものねぇ~
あっけない終わりが ちょっと淋しい。
小説としてはほっとした結末だけれど、
読者としてもう終わり?という感じ。
閉じるの惜しくて
本を閉じてしばらく手に持っていた。
伏線ながらアメリカの学校事情、親の都合で日本で育てない子供の事情も興味深かった。
彼女の新刊は チェックして待ってる。
⭐参考
社会福祉においての「QOL」と「ADL」。
社会福祉において「QOL」と「ADL」は重要な概念として知られています。ここでは、改めて2つの概念を認識しておこうと思います。
QOLとは、Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)の略で「生活の質」などと訳されています。人間らしく満足して生活しているかを評価する概念で、医療で使われることの多い言葉です。生命の質や人生の質、人格の質など精神的な自己実現を得るための指標となり、個々の日常生活を充実させ、幸福感や生きがいを自ら発見し、人間らしく生きていくために必要な考えを表しています。
ADLとは、Activities of Daily Living(アクティビティ・オブ・デイリー・リビング)の略で「日常生活動作」と訳されています。私たちが普段の生活の中で日常的に行っている食事や排泄、入浴、移動、更衣、寝起きなどの動作がどの程度自分の力でできるかを測るための指標となっています。主に介護で使われることが多く、介護保険制度ではこのADLに基づいて「できる・できない」を調査してレベルを決めています。
精神的自己実現のQOLと日常生活動作の満足のADL。近年は、もともと医療で多く使われていたQOLの考えが福祉や介護にも浸透してきました。身体的ケアのADLも大切だけれど、精神的な充実を図るQOLを大事にしようという流れです。いずれにしても、どちらも大切にしたいものですね。
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