生まれて生きて老いて果てる

帰ったと同時に電話が鳴った。
母からだった。
「誕生日を忘れていたごめんね」

　　生んでもらってありがとう

は、あっても
忘れて謝られることなど要らない。
受話器を置いてから
着歴を調べると実家から５回もあった。
母は何度も何度も気が付いてからかけてくれたのだ。
携帯を見れば、妹からメール着信。

　　デイサービスから帰って、
　　誕生日を忘れていたと知ってバァサマが泣き出したから
　　至急電話して

大した用事で出かけていたワケではなかった。
ケーキを持ってお茶しに来てくれた妹を見送りに玄関を出たら
雨が小止みになっていた。
家にばかり居ては運動不足かとウインドショッピングにでかけただけ。

夜になって娘からは、
帰省していた時に私が買い替えたいと言っていた
一人用のミニフライパンが届いた。
包装をほどいたらさっそく遊ぶモコの動画メールでお礼を送信。
若い娘の生活を邪魔しないようにと、こちらからの電話はなんとはなし、ためらう。

若き時は私にもあった。
自分の記憶が消えてゆく事を知り情緒不安定な母は
３０年後の私の姿であるかもしれない。

勝手に音を出しているテレビの中から小椋桂が、
口はばったいようだけど
と、前置きしてこう言った。

　　「嬉しいことばかりでなく、哀しいことも人生で味わいたい」

誕生日を覚えてくれる人がいる。
忘れたと嘆いてくれる人がいる。
ひとりだけどひとりでない誕生日が過ぎる。

花なんぞ届いた

宅急便 スキスキ モコたん

さっそくやって来て
花を取り出した袋に
　　　ガサッとハイジャンプ～

ガサゴソに飽きた
お次は
　　　やっぱりねぇ～

花かじり～

Ｍｙ誕生プレゼント

誕生日おめでとう私。
５６歳。
ついに８つ違いだった亡夫の歳を超えた。
定年まで４年。
年金支払い義務、後４年。

私が私にする今年の誕生日プレゼントはこれ。

雑貨屋さんでばったり作家さんに出会った。
月一納品に来るとか。
私は数ヶ月に一回覗くだけだから、
ものすごい出会いの確率だ。
話していると、やっぱり猫好きさん。
家には拾い猫が６匹居るとか。

実はこの人のシルバー細工作品３つ目の購入。
話のついでに
ブローチにチェーンにも付けられる輪っかをお願いした。
後日、細工が済んで届けられた包みには
『会えてうれしかった』
って、おまけのペンダントトップまで入っていた。陶器の部分は伊万里っぽい。


ラッキー
しかし…女性の平均寿命８０幾つだっけ？
後何年　ワタシ生きるのかな？