陽だまりのねごと

♪~思いつきひらめき直感~ただのねこのねごとでございますにゃごにゃご~♪

めぐりあわせ

2006-06-12 08:13:14 | Weblog
定年後に山中の土地を購入する話がよく聞かれる。
友人夫婦は車1台分の金額で、小川付き山土地を手に入れた。
台風で倒れた木がそのままある。
麦を植えて、
水車小屋で粉を挽いて、
潅木でログハウスを作って、そこでパンを焼いて~♪
夢を語る夫君の横で、

『やりたい放題、言いたい放題に駄だっ子付き合っているの』

草かりに出かけた後で、この奥方が血尿が出た。
膀胱ガンが発見された。
知らせを聞いて驚いて見舞いに行った。
日曜の暗い待合室を抜けて迷路のような廊下を曲がって登って、
病室発見。

彼女は術後のベットの管に繋がれてはいるけれど、
後は回復を待つばかりの顔色だった。

畑の世話をしていたから疲れて血尿が出て早くガンが分かった。
仕事を辞めたのんびりの時期だから、安心してこうやって病院に居ることができる。

 めぐりあわせかな?

淡々と語る。
膀胱ガンは再発の可能性が高いから、度々入院、手術の可能性があると言う。

そこは予想どおり、
亡夫をホスピスにひったくるように転院させた泌尿器科の病棟だった。
夫の場合は膀胱ガンに隠れて、
病状悪化でないと分からない胆管ガンを合わせ持っていたのだろうから、
彼女がそこまでの経路を辿るとは想像しない。

しないが、私の中ではあれこれとその時の事が鮮明に思い浮かんだ。
こんなにボロい病棟だったのか?
こんな狭いカーテンに囲まれた6人部屋のベットで
助からないガン末期と告知された夜を夫は過ごしたのか?

 めぐりあわせ

夫が居たら、大学を5年もかかって卒業して、
アルバイトもままならない息子と
きっと事を構えていたに違いない。
障害を死ぬまで認めてはいなかった。

夫が死んで、息子が大学を卒業して自宅へ帰って、
世の中への不適合にあがきながらも、
なんとか落ち着いた今の生活ぶりは保障できなかったかもしれない。
夫も息子も辛い生活が想像される。

運命とか、めぐりあわせとか、
うまい具合に回っているのかもしれない。

地震に起こされてめずらしく早起きの息子と朝陽を見た。
高い畦道をひょいと飛びあがるこれからの肉体を持つ息子にも、
これからどんなめぐりあわせが待っているのだろう?

仕事人間だった夫の腕時計と名刺入れを身に付けて、
老けたニューフェイスも5月を乗り切った。
さぁ~月曜日。いざ出陣!

朝の地震に起こされて

2006-06-12 07:27:52 | Weblog

朝、猫に餌をやっていたらグラッ。
餌をねだっていた猫がびびって、および腰になっていた。
どこに逃げたらいいのだろう。
一瞬、身をかがめてじっとして過ごした。
すぐに揺れが止まって安堵。
どこかで被害が出ていないといいけれど。

息子も起き出してきた。
前夜、ささゆりが咲き出した観にいらっしゃいと電話をもらっていた。
次々咲いては散って今週いっぱい。
次の休みの日までは待ってくれそうもないから、
朝か?夕か?
朝が絶対初々しい。
『よし、朝行こう』と決めていた。

一緒に観に行こうかと誘ったら行くと言う。
今日は息子は休み。
昨日、職場の人の態度が冷たいと食事も採らずに頭を抱えていた。
人の小さな態度にキズついていつも激しく落ち込む。
気分転換にでもなればいい。

ささゆりはワラビ採りとした箇所の草むらにひっそりと咲いていた。
地震に起こされて、良いものに出会えた。