陽だまりのねごと

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宿命「よど号亡命者の秘密工作」

2006-03-21 22:07:11 | 
宿命「よど号亡命者の秘密工作」高沢皓司

休暇最後の日になんとも後味の悪い本を読んでしまった。出来の悪いサスペンスならサッと記憶から消せるけれど、ノンフィクション。未だ未解決の北朝鮮の拉致問題やらを彷彿とさせる。1998年の出版だから、それから事実は動いてきている。よど号犯人の子供たちも成人した記事を読んだ記憶がある。

なんと無邪気な発想ではじまったハイジャック。若気の至りだったのかもしれないが、題名のごとく待ち受けた「宿命」に身の毛がよだつ。拉致されて帰国された人々が付けていたあのバッチが胸から外されるまで、表情など思い出した。まるで国をあげてオカルト集団のよう。

息子が、よど号の事件を知っているかと問うたひとことが本を手にとらせた。よど号の後に続く赤軍派の浅間山荘、なぜか何年も経って中東でゲリラで出没した赤軍派とぽつりぽつり記憶がある程度で、学生運動から発した狂気集団のような感じしか持っていなかった。

膨大な資料や取材でじわじわと事実に迫る。洗脳され北朝鮮の工作員に仕立て上げられるしか、その国で生きてゆく道が残されていなかった上に、妻選びに日本人拉致と言う不幸を重ねたと言う事実。犯人2名の死も本当の部分は闇の中。ウソしか発信しない国交のない近い国で、よど号で入国したばっかりにその後の運命は本当のところどうなってしまったのか?ウソの中から真実を丁寧に拾う作業で書かれているが、題名の『宿命』が痛烈にあれこれ想像させる部分を含んでいる。著者の筆運びの上手さに、ついつい一気に読んでしまった。事実は小説より奇なり。

ちょっと検索したら最近のニュースにもよど号があった。

よど号犯との「協議」要請 北朝鮮が2月、日本に (共同通信) - goo ニュース

よど号犯の妻2人告発 松木薫さん拉致で親族 (産経新聞) - goo ニュース


子ぎつねヘレン

2006-03-21 00:24:12 | 映画(DVD)
子ぎつねヘレン - goo 映画

相当古い映画でキタキツネ物語 THE FOX IN THE QUEST OF THE NORTHERN SUN - goo 映画を思い出して封切を待っていた。子ギツネが夏毛になるまでふわふわでころころで北海道の大草原で無邪気に遊ぶシーンにゴダイゴの歌がとても合っていて、当時レコードでサントラ版まで買っていた。

目も見えず耳も聞こえない子キツネと言うことで、病気の話は映画で観るのは堪忍してと思う方なのだけれど、昔の映画を思い出しキタキツネの子供の可愛さ観たさが足を運ばせた。少しお子様向けな演出が気になったけれど、中途半端でない愛情を上手く感じさせてくれた。鳴けないはずの子キツネがお母さんと認識した太一少年を恋うて呼ぶ声を発する。動物にちゃんと伝わる愛情はペットを飼っている人なら良く分かる。飼う責任が動物の殺生、幸不幸、一切に関わる。本当のところ、人間界には子育てより自分大事の動物的本能を忘れた母親が増えている様な気がするけれど。欠損家庭同士の再婚。親子と言うより友達感覚の親子。人間界の愛はややこしい。映画が終って鼻水を噛んだティッシュをゴミ箱へ捨てている人、何人か見っけ。キタキツネの子はやっぱり予想を裏切らず可愛かった。