途中下車の旅

長く生きていると、知り合いも全国に広がっている。娘の所へと、まっすぐ東京を目指さず名古屋で乗り換え、そこからは熱海まで各駅停車の新幹線こだまの旅。

行きは名古屋で途中下車。４年ぶりの友人が迎えてくれた。帰りは行きに『ただいま通過』と車内からお暇メールをしたら、次の日電話がかかってきた。帰りにちょっとでいいから寄って欲しいと。

オーシャンビューの日帰り温泉を出ると雨模様。都内の帰宅ラッシュ前に帰宅したいと娘も言うので、予定を１時間早く切り上げて熱海で上り下りに別れた。時間が空いた。

とある趣味の会での知り合いで、実は電話で話しただけで、一度も出会った事がない。お互い共通のある人の死に関係し、妙な連帯感は持っていた。

不思議な縁と偶然と。初対面とは思えない打ち解け方で１時間はあっと言う間。

再度、名古屋乗り換え。のぞみで一路我が家へ。

猫も息子も無事だろうか？落とし物の多い母に娘が別れ際に言った。

『遠足はおうちに帰りつくまでが遠足デス。』

頼りないダメ母。息子、娘の心配はおこがましいかもしれない。娘のおかげで思いがけない出会いもあった良い旅は後少し。

落とし物、寝過ごしのないように、おうちに帰ろう。