1.17

10年の月日が流れた。表面上は復興してみえる。
人の心の内部は分からない。

あの日の私の出来事は…
台所で4人分の朝食と３人分の弁当を作っていた。
二階で寝ていた息子が
「揺れた！」
と、走って降りて来た。
神戸から遠い山口にも感じる程の揺れだった。
寝ぼけ眼で置き出した家族と一緒に急いでＴＶを付け
ぐにゃりと曲がった高速道路を見た。

10年経って、新潟も津波も関心薄い息子と二人暮らし。
ＴＶニュースは一人で見る。
話す相手がいないから、ぼそぼそBlogに書き付ける。

３回目の命日が過ぎてから、夫は帰らないと実感出来て来た様な。
難題、未決を押し付けて勝手に逝ってしまって！
と怒りの感情まであって、心底、取り残された自分が哀しかった。
漸く、亡くなった夫の無念が感じられる昨今。

震災なんて訳の分からないモノで根底から生活が崩れ、
身近な人を亡くされて10年。
単純なありふれた働き盛りの伴侶のガン死でさえ、
１年、２年の私は尋常ではなかった。
被災の方々の心中は量りしれない。

あれからも大きな自然災害がそれこそ津波の様に襲う。
今の平穏が永遠には続かない。
あちらもこちらも他人事ではない。
明日の我が身は誰にも予測は出来ない。

日常の瑣末な不安はそう思えば、なんだか笑えてくる。
タイタンはオレンジだそうだ。