細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

日本出張後半戦と総括

2014-02-12 17:57:32 | 研究のこと

怒涛の日本出張が終わりました。タフな二週間になるとは予想していましたが、予想を超えて刺激的な二週間となりました。

最終盤の大雪事件はすでに書きましたので、出張後半戦も含めた総括を記しておきます。

1/31(金)に田老トンネルを訪問して品質確保についての濃厚な議論を行った後、2/1(土)午前に首都圏に戻り、午後は東京大学にて示方書勉強会を行いました。

超繁忙期で、しかもご家族の体調が崩れたりが頻発し、結局の参加者は5名。しかし、各自がこってりと話題提供し、まさに最前線の情報にどっぷりと浸かることができ、皆が満足しました。懇親会も含め、示方書勉強会の原点に戻ったね、と皆で盛り上がりました。勉強会のメンバーが力を付けて最前線に出始めてこそ、組織的に役割分担しつつ勉強していくことの意義が高まると思っています。

翌日、2/2(日)にようやく大学に初出勤。大学には出れていなくても、各現場で担当の学生の研究指導はしっかりと行っておりますので、誤解が生じないように記しておきます。事前に学生たちに調整しておいてもらったスケジュールに従い、13:00からびっしりと研究ミーティング。17:00過ぎに終了し、有志で軽く懇親会。留学生も含む学生たちとのコミュニケーションはやや久しぶりでしたが、彼らの意欲を引き出す教育者の難しさを再確認し、私にとっては勘を取り戻す良い機会となりました。出張中、実家で夕食を食べる機会がほとんど無いため、懇親会は早めに退席して、実家で夕食を取りながら家族との会話を楽しみました。

2/3(月)はメインイベントの一つ、仙台にて復興道路構造物の品質確保の研修会。準備も気合も万全で臨みました。私を含め、4名の講師が発表しましたが、すさまじいレベルの研修会となりました。山口システムに端を発し、いよいよ最強レベルの産官学協働の品質確保・性能確保のプロジェクトがダイナミックにスタートしました。最早、止めようにも止められない状況に至ったというのが関係者の実感です。その一翼を担うことができ、心から幸せです。懇親会も異様に盛り上がり、何度おっさんたちと抱き合ったか数知れませんが、最後は國分町のスナックで二曲カラオケの必殺技も披露して、十分に疲労してホテルにたどり着きました。

2/4(火)は新幹線で帰京し、念願であった横浜そごうの竹葉亭にてうなぎを食し、大学へ。いくつか学生の研究指導をした後、共同研究先の企業との打ち合わせ+懇親会。今年は成果が出るか不安なところがありましたが、学生たちが頑張ってくれ、来年度以降も我々の研究活動をサポートいただけそうで何よりです。懇親会でも様々な話題で盛り上がり、研究についてもいくつか貴重なアイディアが生まれ、有意義でした。

2/5(水)は熱血ドボ研の定例会。三部構成で、第一部はNHKの放送博物館の見学。非常に有意義な見学で、これだけでも十分だ、と皆が感想を言っていました。第二部が圧巻で、会計検査院の局長をされた先生との意見交換会。我々が展開している品質確保のプロジェクトや、これから仕掛けようとしているインフラの維持管理の人財育成プロジェクトについて、多大かつ有意義なアドバイスをいただき、会計検査院とのポジティブな協働の可能性が見え、今後の熱血ドボ研の活動にとって大変に大きな一歩になりそうです。懇親会はいつものごとく、皆がスパーク。メガトン級のプロジェクトのアイディアがいくつも出て盛り上がりました。おそらく、ほぼ全て実行するものと思われます。2/5の午前には、共同研究先と目視評価についての打ち合わせ+情報交換。双方の情報のレベルが高く、刺激的な研究ミーティングでした。

2/6(木)は高知工科大学へ。師匠の岡村甫先生へのJCIランドマーク委員会のインタビュー。岡村先生のお話はこれまで何度もお聞きしていますが、ご本人からこれほど深い話をじっくりとうかがうのは2年前の3月に続いて二回目で、しかも今回は兄弟子の石田先生も一緒だったので、大変に大変に勉強になるインタビューでした。自分自身のルーツを確認するとともに、今後の生き方について改めて決意を固めさせられる機会になりました。自分自身の生き様を貫こうと思います。インタビューの前は、内藤廣先生設計の牧野富太郎植物園の本館も訪れ、幸せでした。インタビュー後は岡村先生に夕食にご招待いただき、インタビュー第二部が21時半ごろまで続きました。その後、インタビュアーたちで懇親しながら余韻に浸りました。

2/7(金)は朝一番の便で東京へ。二週間の日本出張はほとんど隙間の無い行程だったので、大学へ戻る前にそごうに寄って、本屋で買い物、その後、靴屋でスニーカー+室内スリッパの立派なもの(パリ自宅用)を購入。出張中二度目のラーメン(一風堂)で昼食を終えてから大学へ。種々の事務手続きや、研究指導を終えてから、16:00から共同研究先が訪問してこられ、情報交換+懇親会。今回は私からお声掛けしましたが、これまで遠慮されていたようで、「今後はずうずうしくお願いさせていただきます」と横浜の飲み屋でおっしゃっていました。「下町ロケット」もご紹介いただき、パリへ戻る機内で興奮して読みました。ポジティブなコミュニケーションから、研究についてもいろいろなアイディアが出てとても楽しい時間でした。その後、昨年、鞆の浦の研究を始めた赤間君が横浜まで会いに来てくれ、赤間君の後継者の渡辺君も参加して懇親会。疲労でくたくたでしたが、教師にとってはうれしい楽しい時間でした。

2/8(土)は大雪の予報でしたが、研究室冬合宿に参加するために浦和から三崎口へ出陣。10:00~17:00までがっちりと研究室ゼミで、私にとっては久しぶりのゼミでした。各研究が良くなるための意見やアドバイスを全力でしたつもりです。懇親会では学生たちがよく頑張っていることをうれしく思いながらゼミの時間を過ごしたこと、最終審査に向けてベストを尽くしてほしいこと、を伝え、大雪の中を帰路につきました。その後の大雪騒動はすでに別の記事に記した通りです。

今回の出張は、ほぼすべての時間が研究でした。一つ一つの仕事を全力で行ったつもりで、ふりかえってもベストを尽くせたと思います。

これほど濃厚な出張はもちろん経験したことはありません。海外に家族で滞在している間の、単身での母国日本への出張であるからこその濃厚さでしょうし、学生たちの研究の最終盤である冬のこの時期の出張であったことも理由の一つでしょう。

今回の出張は、私の大切な人たちと会うためのものであり、大切な方々とのポジティブなコミュニケーションはあまりにも楽しく、刺激的であり、勉強になるものでした。生きることは真剣にコミュニケーションすることであると私は思っていますが、どれだけたくさんの素敵な方々とコミュニケーションしながら生きているのかを再確認することができました。お付き合いいただきありがとうございました。

パリに戻って二晩が経ちました。大雪騒動もあり相当に疲労が蓄積していましたが、何とか日常に戻れそうです。

日本での時間とパリでの時間にはあまりに違いがあり、戸惑うところもありますが、だからこそフランスに来ている意味があるのだと改めて感じます。今朝から奥さんがトルコに出張に出かけたので、子どもたちとどっぷりです。

2月の後半は、私も各種の仕事(大半は日本の仕事)でやや追い立てられるのですが、日本の皆様も頑張っておられるでしょうから、私も頑張りたいと思います。


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