細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

積重ね

2013-07-14 09:55:25 | 研究のこと

私自身は,日々ベストを尽くすことを考えてやってきたつもりです。その日にできることをやる,という意味でもそうですし,中期的な,あるいは長期的な戦略を考え,人と議論することでブラッシュアップする,という意味でもベストを尽くしてやってきたつもりです。

鞆の浦の研究は昨年,赤間君と開始しましたが,そこに至る経緯や,その後の進展は,これまでの積重ね無しにはあり得ません。私自身には日常の積重ねなのであくまで日常なのですが,私自身よりも,私の側近で見てきた人の方が積重ねの重要性を認識できるようです。

鞆の浦に私たちが関わることになったのは,木谷正道さんと私が出会ったからですが,その出会いが無かったら,私が鞆の浦に関わることは絶対に無かったでしょうし,今の我々の防災研究もやっていなかったです。なぜ,私と木谷さんが出会ったか。

横浜市の熱血職員たちが木谷さんの活動に共鳴してサポートしておられたわけですが,その熱血職員たちが私と木谷さんを引き合わせてくれました。この二人を合わせたら面白いだろう,ということで。25歳も年が違う二人を引き合わせてくれました。木谷さんと熱血職員二人で私の研究室に来てくださり,二時間,お茶も食事も無しで夕方6時から話し続けて終わりました。そこから鞆の浦に関わる道が開けました。なぜ,横浜市の職員たちが私を木谷さんに紹介したか。

横浜市でコンクリートや維持管理の研修を数年にわたって実施してきました。大学と同じ熱血研修ですので,次第にファンが増え,横浜市の全技術管理課長の前でプレゼンをしたこともありますし,2012年の2月には150人を超える職員たちの前で2時間ほど講演をしたこともありました。その直後に,木谷さんが私のところに来られました。

横浜市でファンを作る研修や講演ができるようになったのは,山口県でのひび割れ抑制,品質確保の取組みに深く関わらせていただき,多くを学び,力を付けさせていただいたからであり,JCIのデータベース委員会なども通じて,東北の復興道路の品質確保の取組みにもど真ん中で関わらせていただけるようになったからです。

山口県の取組みに関わらせていただけたのも,それまでJR東日本での実務経験や,東大コンクリート研での本質的な物の見方がバックグラウンドにあります。

また,東日本大震災の学会調査団での経験や,土木史の講義を立ち上げてベストを尽くしてきた経験も大きいです。

もちろん,日々,読書を重ねてきたり,このブログなどで地道に情報発信してきたことの積重ねが無ければ,今の展開は無かったと思います。

これまでの積重ねのどれが欠けていても,今の状態には至っていないと思います。

積重ねとは,つまり,人との出会いです。どれだけ多くの素晴らしい方々と出会い,コミュニケーションを重ねてきたか,ということです。本当に素晴らしい方々とたくさん出会うことができ,私の人生は幸せだと感じます。世の中に貢献することでしか,報いることはできないと心から思います。

これから先の状態は,ある意味で予測不可能です。でも,積重ねの先に,結局は私自身が心から望む方向に展開がなされていくと思いますので,今後も変わらず積重ねて行きたいと思います。

久しぶりに3冊の本を並列で読んでいます。 


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