あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

照ノ富士の心はこう動いた

2017-04-01 06:47:31 | 日記
本割では油断があった

 感動の大逆転から1週間が過ぎました。
この間小さな愚問が、ずっと心に引っ掛かっていました。

 毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた、極々小さなどーでも良い
疑問を取り上げています。
今週は「照ノ富士は何故勝たなかったのだろう」です。

 対戦後のインタビューで大関はこう語りました。
「目に見える辛さと見えない辛さがあるんだね、それを出すか出さない
かです。」
この言葉は一体何を伝えているのでしょうか。
 <前日に稀勢の里は何もできずに鶴竜に負けた。
左腕は相当深刻な状態だ。
そんな相手との対戦は辛い。
勝って当たり前、負ければ笑いもの。
だから怪我を悪化させない様に早い勝負で終わりにしよう。>
 照ノ富士は本割の1番で優勝が決まると信じ切って土俵に上がりました。
ところが意外な展開で決定戦に持ち込まれてしまいます。
こうなると<借りを返すしかない>とむきになり、焦りから守りが
甘くなって小手投げを決められてしまいました。
 素人評論家はそう推測しましたが、大一番の裏側がこんなに単純で
ある筈はありません。
もう少し、深堀してみましょう。

決定戦では心が折れた

 こうも語っています。
「特になかった、自分の問題です。」
相手の怪我を意識したかと問われた際の返答です。
「自分の問題」がもしも己の心の内を指すとしたら、こうも考えられます。
 本割で稀勢の里は激しい当たりをみせました。
それは前日の鶴竜戦の弱々しい姿を想定していた照ノ富士には意外な
ものでした。
油断して星を落としてしまいましたが、決定戦では同じミスは犯しません。
ジックリと攻めれば今度は絶対に負けません。
 ところがここで葛藤が始まったのです。

 <日本人横綱優勝ムードの流れが終盤で大きく変わってしまった。
それに乗じて自分が優勝したらどうだろう。
膝の古傷が痛んで琴奨菊戦では勝つ為の作戦を選んだ、ところがあの
ブーイングだ。
横綱を破って、しかも傷まで悪化させてしまったらどれだけ非難されるか。>
 この葛藤を抱えたまま決定戦に臨みます。
そして小手投げを喰らった瞬間、<踏みこたえてはダメだ>その思いが
勝って体は宙に浮きました。
 勝負がついた直後に、一瞬だけ画面に映った表情が忘れられません。
<何があの力を生み出したのだ!?>
驚きと恐れが入り混じった顔で稀勢の里を見上げていました。
 そしてインタビューに答えます。
「やっと終わった。」と。

 あーだこーだと想像を膨らませて、熱戦を振り返るのは楽しいものです。
5月8日からの夏場所では、万全の体調に仕上げた両者のぶつかり合いが
是非見たい。
ふたりで既存の横綱勢の存在がかすむ戦いを繰り広げて欲しい、そう
願っています。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 覆面10傑第8位、レッド・... | トップ | 日曜日は川柳の日 »

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事