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善光寺に響き渡る鐘には順番がある?

2016-02-27 07:00:17 | 日記
仏具は順番待ち

 厳かな祈りの場、善光寺。
実は思った程静かな空間ではありません。
鐘に太鼓に木魚に拍子木、それらが毎日朝から晩まで鳴り響くので、むしろ賑やか
過ぎる場所かも知れません。
 これらの仏具は決められた段取りの中で出番を迎えます。
その順番は一年365日、変わる事無く秩序を以って保たれます。
 例えば善光寺には大中小の釣り鐘がありますが、毎日一番早い出番を迎えるのは
どの鐘なのか、お分かりになりますか?

 毎週土曜日はウォーキング中に 生じた疑問を取り上げています。
12月から続いている「善光寺の謎」シリーズ、今日は「釣り鐘の謎」です。

 善光寺の釣り鐘と聞くと大抵の方が先ず思い浮かべるのは鐘楼の大鐘でしょう。
この鐘が一番早くに叩かれる鐘?
違います。
 3種ある鐘の中の「大」に当たる鐘楼の鐘の出番は一番遅くて、毎日午前10時。
10時から夕方4時(冬場は3時)まで、時報に合わせてその分の数が叩かれます。

 「あれ?今何回叩いたのだろう」
そう思ったあなたは鋭い!
10時に叩く回数は10回では無くて13回。
それは最初に「捨て鐘」と呼ばれる予告の鐘を入れるから。
 捨て鐘を3回打って注意をひいた後に、一拍置いて時報の10回分を叩く。
大昔に鐘楼の鐘が周囲の人々に時を告げていた名残なのですね。
この決まりで叩かれる鐘楼は、一番回数が多いのが正午の15回、少ないのは13時
の4回です。

見えない所に釣られた鐘

 他には何処に釣り鐘があるの?
本堂正面の回廊の左右の端を見てみましょう。
そこに中くらいの鐘が下がっています。
 この内、向かって左側の鐘は飾りで実際には使われません。
昔の大地震で外れて落下した際に柱を抉って傷を残したと言われるのはこちらの鐘です。
 毎日叩かれるのは右側の鐘、法要の際に必ず3回叩かれますが最初の出番はお朝事です。
天台宗、浄土宗、それぞれのお朝事でこの鐘が鳴らされます。
ならば一番早く叩かれるのはこの鐘?
これも外れです。

 この鐘よりも早く叩かれる物があるのです。
「他に釣り鐘は見た事が無いぞ」
実は目立たない所に下がっているのです。
 本堂に足を踏み入れ右側の壁を見ると内陣券の販売機があります。
その手前の障子が開いている時に中を覗くと、そこに半鐘のような小さな鐘が
吊り下げられています。

 実は毎朝一番先に叩かれる鐘は大中小の中で一番小さなこの鐘でした。
それはお朝事が始まる直前。
件の販売機の隣に立って私がお朝事の開始を待っていた時、いきなりこの鐘が大きな音で
叩かれたのでびっくりしました。
 何事が起きたのかと職員の方にお聞きすると「管主様が大勧進をお出ましになられた事を
内々陣で待っている天台宗の住職に告げる合図として2回打ち鳴らす決まり」なのだそうです。
ちなみに大本願からお上人様が発たれた時も同様で、行列が山門に差し掛かったタイミング
でこちらは3回打ち鳴らすそうです。

 善光寺さんには鐘だけでもこんなに種類があって打ち方にも決まりがあって、それを
毎日秩序正しく行っているとは、プチな驚きです。
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