いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

ビスポークシャツ 完成

2010-08-07 04:05:34 | ドレスシャツ
先日仮縫いしたシャツが出来上がりました。
冒頭の写真がそうですが
生地はシルクコットン、やや光沢があり
もの凄く、柔らかくしなやかな生地です。

織りはオックスフォードです。



さて、仔細にみていきましょう。
ビスポークですので
基本的にはどんな形も可能なのですが
今回はハウススタイルにしました。

まずは襟元ですが
特徴のある首元のボタンです。



今回、首周りに関しては
初めてオーダーで納得のいくフィット感を味わいました。

既製品だと首周りが15だと小さくて15 1/2だと
少し大きいというフィット感です。
パターンオーダーでも
やや緩めに仕上がってしまいます。

今回はとてもいい感じです。

良く百貨店とかでは
「指が2本入る位でいいですか?」という方がいますが
明らかにそれでは大きすぎます。
ここらへんは、既に私はイタリア人的感覚に
なっているかもしれません(笑。

そして、カフです。
特徴的な形ですね~。



これはとてもエレガントな形だと思います。

そしてクラシックな下部のボタン。
フライなどでも一部こういったモデルがありますね。



そしてもっとも特徴的なアームホール周りの
立体的なステッチ。



今回はシルバー系の糸にしてもらいました。
これも又、エレガントな意匠だと思います。

そして背中です。



背中にはダーツが入っています。

さて、フィッテングですが



う~ん、メタボですね(汗
さて、それは置いておいて、、、、

着ている感覚ですが
まるで着ていないような感覚というのが
一番当てはまる表現だと思います。
シャツは肌に最も近いウェアですが
着心地をもっとも感じるウェアだと実感しました。

そして、上着と襟の関係ですが
これも理想的なラインだと思います。



実は襟周りに秘密があり
タイがしっかり決まり
緩まない仕掛けがあります。
但しこれは企業秘密とのことですので
詳細は残念ながらご紹介出来ませんので
あしからず。

そして背中から見たところです。
これは生地が柔らかいせいもあるかもしれませんが
肩周りに縦のラインが出ています。
ここらへんは次回のビスポーク時に
修正してもらうと思いますが
結構難しい体と他のテーラーでも言われているので
どの程度改善されるかは
まだわかりません。



そしてタイを外した写真ですが



前立てが特徴的なデザインとなっています。

上のボタン2つ目以降が
比翼仕上げとなっています。
これがこのシャツを
より一層ドレッシーな感じにしていると思います。

そしてクレリックの襟とカフですが
当初は同じ生地の色違いの予定でしたが
最終的にはシルク製の襟とカフになりました。



私は
「襟についてはフライ的な固い物が好きです。」
と伝えたのですが
これはちょっと固すぎですね~。

う~ん、ここらへんは
ビスポークの難しさなんでしょうか?
正確に伝えないと
いけないですね~。

まあ、これは、いずれ交換も可能だと思います。

そして美しい貝ボタン。



ボタンの留め方は何とスーツと同じ留め方になっていて
非常に丈夫です。



素晴らしい生地に
素晴らしい着心地ですが
「ビスポークは1日にしてならず」も
実感した次第です。
(これはパターンオーダーにも言えますが)

次回以降、改善していくのも
ビスポークの愉しみなんでしょうね。

そして仮縫い時にお願いした通りに
初ビスポークの記念として
仮縫いに使用したシャツを
いただきました。



う~ん、今回はビスポークの深淵を
少しだけ覗いたような、、、

これが靴やスーツだと
も~っと奥が深そうです。

いや、愉しくも
恐ろしい世界です、、、




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8 コメント

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Unknown (いけぼう)
2010-08-07 23:18:00
クラシカルでいいつくりですね。

タイが緩まない秘訣ですが、私の推測からすると、第1ボタンではないかと。

私の日々の経験では、第1ボタンがシングルだと、タイの結び目の裏側が首の動きに合わせて動くので、タイが緩むのだと思うのです。
返信する
タイの秘訣 (らみい)
2010-08-08 01:52:57
いけぼうさん こんにちは
このシャツ、本当にクラシックな作りだと
思います。
実は袖付けもジャケットと同じ袖付け。
こういったビスポークシャツは
珍しいと思います。

さて、タイが緩まない件ですが
画期的な工夫がしてあります。
これは特許を取った方がいいかな~とも
思います。

ブログでもあるように
残念ながら企業秘密ですので
お話は出来ないのですが、、、、
返信する
タイの秘訣 (dunsford)
2010-08-09 16:44:39
らみい様
私の場合、タイの緩みは、次の二つの場合に顕著にあらわれます。
1 シャツの首回りがジャストでないとき
2 タイの芯地が薄すぎるか厚すぎるとき
ならば、両方の条件をクリアするように買い物をすればいいのですが、なかなか難しいですね、企業秘密に興味津々です。
それにしても仮縫いに使用したシャツをもらえるとは驚きです。
ビキューナでコートをビスポークするときは仮のコートを作るそうで、本物が完成したときにこれももらえると聞いたことがあります(でも、仮コートも代金に含まれているんですよね、きっと)
返信する
タイの秘訣 (らみい)
2010-08-09 20:09:29
dunsfordさん
ご指摘の通りの状態の時は
確かにタイが緩みますね。
又、タイが異常な程
ツルツルしたシルクの時も
緩みますね。

タイの緩まない企業秘密ですが
残念ながら守秘義務により
公開出来ません(笑

よろしければ
ビスポークシャツを
ご紹介します。

さて、仮縫いのシャツですが
他のテーラーでも
希望すれば、頂けるようです。
もっともコストとしては
仮縫い時の生地代も
勿論含まれていると思います。

ただ、どんな生地を使って
仮縫いするかは、その時の
状況によって、大分違うとは
思いますが。
返信する
シャツのこと教えてください。 (とまとと)
2010-08-12 10:56:19
らみいさんへ

とまととは女子なので、シャツについてどこでお仕立てすればいいかよくわかりません。それで、コメントさせていただきました。
実はとてもお世話になった人(男性40代後半)にお礼でシャツを送ろうと考えています。
らみいさんおすすめのお仕立て屋さん?(お仕立て券をギフト)などなど教えてください。よろしくお願い申し上げます。

とまとと
返信する
女子の方が! (らみい)
2010-08-12 13:38:31
とまととさん 初めまして
女子の方にこのブログが読まれているとは!
感激です。

又、お問い合わせの
コメントをいただき
ありがとうございます。

男性40代後半というと
丁度私と同じ年代かと思います。
立場的にも恐らくそれなりの方かと
思いますので
ちゃんとしたドレスシャツが
良いかと思います。

一般的な形ですと
シャツのお仕立券を
その方に送るのが良いと思います。

日本橋三越本店に行けば
シャツ生地が沢山用意されていますので
それを購入してご自宅に送れば
いいと思います。
生地に迷った場合は白無地で良いと思います。
もし受け取った方が、そのシャツ生地を
気に入らなければ、シャツの採寸時に
交換することも可能です。

価格は10,000円以上の物が良いですね。

又、一緒にお店に行けるのであれば
batak house cut丸の内店がおすすめです。
その場でシャツ生地を選び採寸出来ます。

価格は18,000円~かと思います。

もし、東京近郊の方でないなら
やはり近隣のデパートでシャツのお仕立券を
送るの良いと思います。
返信する
Unknown (とまとと)
2010-08-14 19:40:57
らみいさんへ

詳しく教えていただきありがとうございました。
らみいさんの仰るとおり、それなりの地位についていて、私はわからないけどこだわりがあるのかな・・て感じです。
ですので、ネクタイを贈るのはどうかな~?
って思っていたときにらみいさんのブログを読みました。

とまととと同年代(20代)の男子に聞いてもわからなかったのですが、らみいさんのブログに思い切って書き込みして本当に良かったです!

らみいさんのブログを読んで、まず一番に思ったのが、私も男性になりたい!と思えるほど、男性のファッションの素敵さがわかったことです。

batak house cut丸の内店のブログも見ました☆

素敵な柄やパシッとしたスーツを見て、かっこいい!と思いました。
今回御礼する方とは一緒に行けないのですが、父親に贈るときに使わせていただこうと思います。


また来週に、らみいさんのアドバイス通りに日本橋三越店でドレスシャツのお仕立て券を買ってみようと思います。

シャツ生地を交換してもらえるなんてわからなかったのですが、こんなに詳しく教えていただき安心して贈れます。
本当にありがとうございました(ぺこり)。

暑い毎日が続きますので、お身体お大切にしてください。らみいさんのブログ応援してます☆

とまととより




返信する
お役に立てれば (らみい)
2010-08-15 06:58:04
とまととさん

お役に立てれば幸いです。

男性の服飾の世界も
女性の服飾に負けない位
深いです。

日々研鑽ですね(笑

女性のファッションと違い
男性の服飾には流行の先端のモード的なものと
対極するクラシックな服飾という世界があります。

所謂、流行とは無関係
連綿と続くトラディショナルな世界です。

バタクハウスカットは正に
それを体現したひとつの世界だと思います。

是非、お父様と行ってみて下さい。

お店の方に
「らみいさんのブログを見ました」と言うと
より懇切丁寧に対応してもらえると思います。
(勿論、普段も懇切丁寧ですが)

又、気軽にコメントしてみて下さいね。
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