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アウターヘブリディーズを訪ねて その3

2012年05月22日 | 旅行
まず旅行案内所へ

ユイスト島の旅行案内所は、地図のとおり港の近くの高台にあるかわいらしい建物でした。
ここからはロッホマディの港の集落が一望できます。
案内所横の駐車場に車を停めて、中に入りました。案内所のスタッフの女性は快活で愛想がよく、「私たちも海草を食べるのよ」と笑いながら中で売っていたみやげ物の中から海藻の干物の詰め合わせを見せてくれました。
本当にフレンドリーな人で、B&Bに連絡のため電話をかけてくれた時も、まず日本人など泊めたことがないであろうB&Bのオーナーが警戒しないように(笑)、「ナイスカップルよ」と口添えしてくれるなど、気持ちの良い対応がうれしかったですね。

早速教えられた場所を目指して、A367をそのB&Bに向かいました。途中クラーチャンの小さな店(田舎の何でも屋という感じです)で水や果物、パンやお菓子などを買って翌日からの食料を確保。途中町らしい町もなく、しかも道はほとんど一車線、ほとんど沼や湖が続く原野ばかりでどんなB&Bか心配になってきます。

ようやくたどり着いたB&B・Glendaleは、北ユイスト島の南部のグリムゼイ島の小さな漁港に隣接した丘の上にありました。新しい建物なので風情はありませんが、設備もよく、居心地がよかったです。




となりには小さな漁港がありました。


ウェルカムティーを出してくれたオーナーは以前南アフリカに住んでいたというマクロード夫人。親切そうな人なのでよかったです。同宿の客は老人と孫らしい女の子の二人だけでした。

このユイスト島は南北に別れ、あわせて約6,000もの大小さまざまな淡水の池沼があります。島の景観は東西で対照的で、西半分は遠浅の白砂の海岸、反対側の東部は複雑な入り江とまったく異なります。基本的には真平らな島です。

↓島西部の代表的な景色


↓東部はこんな感じです



ユイスト島とベンベキューラなど周辺の島々とはたくさんのCause Wayという堤防の道路でつながっています。

チェックインして荷物を解いてから、夕食にはどこがいいか夫人に聞いたら、ベンベキューラのレストランを勧めてくれました。でも手持ちの地図は古くて載っていないのでどういけばいいか聞いたら、地図を貸してくれました。

ベンベキューラまでは少し距離はありますが、さらに多くの湖が点在していて景色がすばらしく、他の車も走っていないので、何度も止まって景色を楽しみながらの快適なドライブでした。
地図では近くに空港があるとなっていましたがそれらしい施設は見当たらず、倉庫のような建物が点在するだけ。道もあちこち交差していてわかりにくかったですが、なんとか看板を見つけることが出来たので、ようやく到着。

ちなみに、この飛行場(管制塔などおなじみの施設も見当たらず、とても空港には見えなかったですね)には、第二次大戦中ドイツのUボートから英米間の輸送船航路を守るために対潜哨戒機の部隊が常駐していました。
英海軍と米軍の共同作戦として米軍のB17が作戦に参加していたと現地で買った「Hebrides at War」という本に記載されています。
この本で、当時駐留していた米軍のパイロットは「ベンベキューラでの印象といえば、濃い霧と冷たい雨とポリッジを思い出す」と言っています。特に冬はそんな感じでしょうね。

レストラン・Stepping・Stoneは予想に反して真新しい建物で、中は現代的な木造建築、窓が大きくて明るくきれいでした。
室内は段差が設けられて床が低くなっているほうはバーミールを提供するスペースでランチメニューなどを出していることがわかりました。この日は上部のレストランのほうでAlaCarte Menuから選んで食べました。おいしくて満足でしたが、コースを頼むと私たちには量が多すぎると思い、スモークサーモンになんとかいうパスタ、スープを注文しました。
味付けもおいしく、満足。これでこの島での食事の心配はなくなりました。(笑)

でもまだ早かったせいか、帰り際に店内をよく見わたしても客は少なかったですね。

夕食後B&Bに戻る途中、あちこちに点在する池にミツガシワやスイレンが咲いているのを見かけたので、写真を撮りました。宿が決まり、食事も楽しめたので、景色を見る余裕が出てきたというところです。


その夜はぐっすり眠れました。

翌朝も昨夜からの雨が残っていて少しがっかりでしたが、案内所でもらったガイドブックに沿って島内を回ることにしました。
マクロード夫人が掃除に来てもいいように部屋を片付けて、持っていくものと置いていくものを整理。連泊なので荷物は身軽で楽です。
8:30に朝食。後から孫娘と祖父のスコットランド人らしい二人が2階から降りてきました。朝食は丁寧に作ってくれてフルーツやヨーグルトもありがたかったです。ゆっくりして9:30頃出かけましたが、寒い!
フリースを着込んでゴアテックスの雨具を着てちょうどいい感じでした。見送ってくれた夫人は「昼から晴れるよ」といってくれました。

まず白鳥が見られるというロッホ・ビーに向かいましたが、雨のせいか見られず。
天気も気になるところですが、とにかくユイスト島を南下しながら観光スポットを見てまわることに。次に行ったのは島の守り神のようなour lady of the isles という石像です。
真新しい感じでしたが、実際には彫像の完成は1957年で、1958年に現場に建てられたとのこと。

聖母マリアの彫刻です。



像はRuabhalという場所で、南ユイストの北端近くの丘の西側斜面に位置しています。A865の東側にあり、石畳で舗装された歩道が道路から像まで続いていました。
像のいわれなどの表示が一切なく、二人で見上げながら「なんのための像なのかなあ」と思っていました。

帰国後に調べたら、1950年代の東西冷戦のさなか、英政府がこの島に大規模なミサイル実験場を設置することを発表したことに端を発しているとのこと。
これらの施設の建設によりユイスト島全体が軍事基地化され、島の伝統的な生活、文化が破壊されるだろうという懸念から、それらに対する抵抗のシンボルとして、ジョン・モリソンという地元の教区司祭が先頭に立って島民から集めた資金で作られたとのことでした。

次はHowmore Churchという1858年に建てられた小さな教会に行きました。少し小高い丘の上にありましたが、その建物はかなり殺風景な感じであまり印象には残らなかったのですが、その背後の海岸線に広がる自然のお花畑はきれいでした。
ただトイレなどはなく、あまりゆっくりできずに次へ。

↓途中見かけたきれいに整備された藁ぶき屋根の民家。


トイレ休憩を兼ねて、看板を見て知ったキルドナンの博物館に行くことにしました。この地方の文化などを紹介しているとのことです。
でもあいにく日曜休館。ただカフェはやっていたので、そこで休憩することにしました。

<続く>
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