AKB48という破壊的イノベーション 第1話 ~モーニング娘。~
AKB48という破壊的イノベーション 第2話 ~ヘビーローテーション~
AKB48という破壊的イノベーション 第3話 ~グローバルローカライゼーション~
ドリムスは時代の何を映すか
ドリーム モーニング娘。
http://www.dream-morningmusume.com/
モーニング娘。全盛期のメンバーであったOBが新しいユニットを結成した。
いや、新しいユニットではなく、むしろこちらが本物の「モーニング娘。」なのだろう。
多くの人にとって、今のモーニング娘。の方が「擬似モーニング娘。」なのである。
そして、この状況こそが「モーニング娘。」がピークアウトした証左でもある。
歌謡曲黄金時代を支えた阿久悠は、
晩年にメンバーが入れ替わるモーニング娘。のシステムに衝撃をうけたという。
(ちなみに阿久悠が関わったシングル売上げは、歴代1位(6,821万枚) である。)
なぜ自分はピンクレディーのメンバーを不動にしてしまったのか。
そう悔いたという。
そのくらいモーニング娘。のメンバー入れ替えシステムの登場は衝撃的な出来事であった。
しかし、社会現象にまでなったモーニング娘。だが、その勢いは徐々に衰えていく。
最も大きな要因は、中核を成した初期メンバーの加齢と脱退である。
モーニング娘。の成長を支えたファンの離脱をも意味するからだ。
これは、歴史上のあらゆるアイドルが受ける試練でもある。
メンバーの入れ替えシステムを導入したモーニング娘。ですら、この試練に飲み込まれてしまった。
モーニング娘。というグループは世代交代を果たすことができなかった。
世代交代を成功裏に収めるためには、新しい世代に対する新しいファン層を掴まなければならない。
だが、旧世代の中核メンバーを支える旧世代ファン層を蔑ろにすることはできない。
成功したバリューネットワークを崩すことができない。
それは、モーニング娘。の破壊を意味するからだ。
いわゆる「イノベーションのジレンマ」である。
これは、アイドルグループに限った話ではない。
1つの企業が半永久的に繁栄を謳歌することがないように、
1つのアイドルグループが半永久的に繁栄することも難しいのだ。
今回のドリムス結成は、
「新しいモーニング娘。」が「モーニング娘。」を乗り越えることができなかったことを示している。
だが、ここでも時代は彼女らを通り過ぎていくだろう。
一方、AKB48はどうだろうか。
実は、まだわからない。
前にも述べたが、AKB48が真に洗練されたビジネスモデルなのかは、これから試されるのだ。
ここからが本番である。
AKB48の初期メンバーも、そろそろ年頃である。
批判を恐れず言えば、思うに今の中核メンバーによる勢いはあと3年もすれば衰えるだろう。
AKB48をマネジメントする側の最大の関心事は、既に「次」にうつっているはずだ。
長期的な戦略をどう組み立ててくるか、次世代の中核メンバーの育成をどう行うか。
AKB48というプラットフォームを維持しながら、破壊し、そして新しいAKB48を創造できるか。
「創造的破壊」だ。
総選挙というランキングシステムがどう機能するのか。
いや、どう機能させることができるかが、最重要課題だ。
ランキングシステムの健全性と将来性をどう両立させるか。
じゃんけん選抜も、このような問題意識の中から出てきたものであろう。
メディア露出などが現在の中核メンバーに偏れば、
ランキングシステムが中核メンバーに有利に働いてしまう。
これは、短期的な利益だけを考えるとプラスだが、長期的にはマイナスになる可能性が高い。
長期的な視点より、中核メンバー以外の新世代メンバーの露出を高める必要がある。
しかし、ここで難しいのは、新世代メンバーを選抜するという恣意性が、
総選挙というランキングシステムと相性が必ずしもよくないことだ。
総選挙での投票結果が反映されないと知ったら、AKB48に大枚を叩いたファンは怒るであろう。
それにランキングシステムがCD販売に依存している限り、
財力的に優位な中核メンバーを支持するファン層が有利になるから余計にだ。
新世代を支える若年層の投票力が弱い以上、余計に難しい。
AKB48のマネジメントが、どう折り合いを付けていくのかが見ものだ。
上記の問題意識を持って考えると、
AKB48のマネジメントが松井珠理奈を次世代エースとして期待しているのはわかるが、
私はこういう恣意性について悲観的だ。
私は、小細工を弄するのではなく、ランキングシステムの洗練に力を入れていくこと、
ランキングシステムをより機能的なものに変えていくこと、
これがイノベーションの鍵であろうと思う。
さてさて、語りたいことは腐るほどあるが、今日はここまでにしておこう。
それにしても、、なぜかドリムス結成に関して阿久悠を思い出したのだが、
奇しくも阿久悠の時代に終焉をもたらしたのが秋元康だったことを考えると感慨深いものがある。
AKB48という破壊的イノベーション 第2話 ~ヘビーローテーション~
AKB48という破壊的イノベーション 第3話 ~グローバルローカライゼーション~
ドリムスは時代の何を映すか
ドリーム モーニング娘。
http://www.dream-morningmusume.com/
モーニング娘。全盛期のメンバーであったOBが新しいユニットを結成した。
いや、新しいユニットではなく、むしろこちらが本物の「モーニング娘。」なのだろう。
多くの人にとって、今のモーニング娘。の方が「擬似モーニング娘。」なのである。
そして、この状況こそが「モーニング娘。」がピークアウトした証左でもある。
歌謡曲黄金時代を支えた阿久悠は、
晩年にメンバーが入れ替わるモーニング娘。のシステムに衝撃をうけたという。
(ちなみに阿久悠が関わったシングル売上げは、歴代1位(6,821万枚) である。)
なぜ自分はピンクレディーのメンバーを不動にしてしまったのか。
そう悔いたという。
そのくらいモーニング娘。のメンバー入れ替えシステムの登場は衝撃的な出来事であった。
しかし、社会現象にまでなったモーニング娘。だが、その勢いは徐々に衰えていく。
最も大きな要因は、中核を成した初期メンバーの加齢と脱退である。
モーニング娘。の成長を支えたファンの離脱をも意味するからだ。
これは、歴史上のあらゆるアイドルが受ける試練でもある。
メンバーの入れ替えシステムを導入したモーニング娘。ですら、この試練に飲み込まれてしまった。
モーニング娘。というグループは世代交代を果たすことができなかった。
世代交代を成功裏に収めるためには、新しい世代に対する新しいファン層を掴まなければならない。
だが、旧世代の中核メンバーを支える旧世代ファン層を蔑ろにすることはできない。
成功したバリューネットワークを崩すことができない。
それは、モーニング娘。の破壊を意味するからだ。
いわゆる「イノベーションのジレンマ」である。
これは、アイドルグループに限った話ではない。
1つの企業が半永久的に繁栄を謳歌することがないように、
1つのアイドルグループが半永久的に繁栄することも難しいのだ。
今回のドリムス結成は、
「新しいモーニング娘。」が「モーニング娘。」を乗り越えることができなかったことを示している。
だが、ここでも時代は彼女らを通り過ぎていくだろう。
一方、AKB48はどうだろうか。
実は、まだわからない。
前にも述べたが、AKB48が真に洗練されたビジネスモデルなのかは、これから試されるのだ。
ここからが本番である。
AKB48の初期メンバーも、そろそろ年頃である。
批判を恐れず言えば、思うに今の中核メンバーによる勢いはあと3年もすれば衰えるだろう。
AKB48をマネジメントする側の最大の関心事は、既に「次」にうつっているはずだ。
長期的な戦略をどう組み立ててくるか、次世代の中核メンバーの育成をどう行うか。
AKB48というプラットフォームを維持しながら、破壊し、そして新しいAKB48を創造できるか。
「創造的破壊」だ。
総選挙というランキングシステムがどう機能するのか。
いや、どう機能させることができるかが、最重要課題だ。
ランキングシステムの健全性と将来性をどう両立させるか。
じゃんけん選抜も、このような問題意識の中から出てきたものであろう。
メディア露出などが現在の中核メンバーに偏れば、
ランキングシステムが中核メンバーに有利に働いてしまう。
これは、短期的な利益だけを考えるとプラスだが、長期的にはマイナスになる可能性が高い。
長期的な視点より、中核メンバー以外の新世代メンバーの露出を高める必要がある。
しかし、ここで難しいのは、新世代メンバーを選抜するという恣意性が、
総選挙というランキングシステムと相性が必ずしもよくないことだ。
総選挙での投票結果が反映されないと知ったら、AKB48に大枚を叩いたファンは怒るであろう。
それにランキングシステムがCD販売に依存している限り、
財力的に優位な中核メンバーを支持するファン層が有利になるから余計にだ。
新世代を支える若年層の投票力が弱い以上、余計に難しい。
AKB48のマネジメントが、どう折り合いを付けていくのかが見ものだ。
上記の問題意識を持って考えると、
AKB48のマネジメントが松井珠理奈を次世代エースとして期待しているのはわかるが、
私はこういう恣意性について悲観的だ。
私は、小細工を弄するのではなく、ランキングシステムの洗練に力を入れていくこと、
ランキングシステムをより機能的なものに変えていくこと、
これがイノベーションの鍵であろうと思う。
さてさて、語りたいことは腐るほどあるが、今日はここまでにしておこう。
それにしても、、なぜかドリムス結成に関して阿久悠を思い出したのだが、
奇しくも阿久悠の時代に終焉をもたらしたのが秋元康だったことを考えると感慨深いものがある。
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