鹿児島県内の川内原発は原子力規制委員会の安全審査を終えて現在、地元の稼動同意を得る手続きが行なわれいる。今月20日でその同意を巡って市議会と住民集会の2カ所で反原発団体が押し寄せ恫喝や激しいヤジがあり騒然となったことを産経新聞が伝えている。おそらく、朝日新聞などではこんな実態は報道しないだろうが。
まず、川内原発がある薩摩川内市の市議会における第3委員会での話だ。そこで原発再稼動に賛成する陳情の採決が行なわれていたのだが、30人の傍聴席に70人が集まった。抽選に漏れた数人の反原発活動家が、無理矢理中へ入ろうとして部屋の入口にへばりつき執拗にドアを叩き続けたのだ。職員も怖じ気づいたのかその行為を制止しようとせず、放置していた。こうした活動家の口調からして地元民ではなく外部の人間だったという。
もう一つは薩摩川内市に隣接するいちき串木野市の市民センターで行なわれた住民集会でのこと。新たな規制基準と基準に沿った電力会社の対応を県の主催により県内5カ所で住民に説明するものだ。
センターの外では「反原発・かごしまネット」代表の向原祥隆氏らが、原発再稼働反対を訴え、チラシを配る。
…入り口付近では、県職員や警備員と小競り合いを起こす反原発派もいた。主催する県は、混乱を避けるために、参加を事前申し込み者に限定した。この日は定員922人を下回る429人が参加した。
原子力規制庁安全規制管理官の市村知也氏が1時間にわたり、東京電力・福島第1原発事故を教訓にした津波や地震への対策強化、重大事故が発生した場合の対策について説明した。
時折、市村氏の発言をかき消すようにヤジが飛ぶ。
「リスクはゼロではないんだろう」「巨大噴火は予知できないと火山学者が言っているぞ!」
会場最後部から、大声で叫びながらステージに駆け寄り、制止される参加者もいた。
質疑応答が始まると、反原発派の罵詈(ばり)雑言は、質問者にさえ向けられた。
ある男性が、原発停止を補うために稼働する火力発電が、地球温暖化の原因となっているのではないかと質問をした。
すると客席から絶叫調のヤジが飛ぶ。「九電のまわしもん!」「太陽光があるじゃないか!」「やらせだ!」
説明会は午後9時ごろに終了した。市内のタクシーの運転手は「私の周りのほとんどは安全な原発は動かすべきと思っているけど、住民説明会には反対派が怖くて行けないよ。彼らは暴れたいだけでしょ」と語った。
地元タクシーの運転手がいみじくも語っているように、反原発派活動家は「ただ暴れたい」だけのためにこうした集会に参加しているようだ。それも住民が「怖くて行けない」と感じるくらいだから、とても「普通」の市民団体とはいえない。それこそ恫喝ともいってもよい行為である。産経新聞はこの様子を「政治的に未成熟な社会」と捉えて平成29年の警察白書を引用して、極左暴力集団の存在を示唆している。
「(彼らは)組織の維持・拡大をもくろみ、暴力性・党派性を隠して反原発デモ等の大衆運動や労働運動に取り組んだ」
また公安調査庁も反原発活動に関してある左翼暴力集団を名指して警戒をしている。
公安調査庁が今年1月に公表した「内外情勢の回顧と展望」も「過激派は反原発団体などの集会・デモに参加する中で(中略)自派の機関紙やビラを配布した」と、反原発運動に過激派が大きな役割を果たしていることを指摘した。さらに、「特に中核派は、同派系の『すべての原発いますぐなくそう!全国会議』(NAZEN)を中心に反原発運動」を展開しているとした。
今回の騒動でそんな極左の関与を確認できないが記者が指摘するように「川内原発の再稼動が迫るに連れてますます先鋭すると予想される」といえる。これまでの反原発活動を振り返れば官邸前デモや福島での刑事告発などでしばしばその存在が取沙汰されているからだ。地域住民の民意という表向きの大義名分も一皮むけば、特定の政治的な意図が隠されているとしたらとても看過できない。
彼らは国民が庶民感覚で共感を得やすい課題にまるで一般市民を装って普通に参入していく。平和主義、人権問題、放射能忌避、などで国民感情に直接訴えていつか自分たちの政治運動への展開させていく。集団的自衛権行使反対、沖縄基地反対、原発反対と言った具合だ。今その主戦場が沖縄の辺野古であり、そしてこの川内原発である。