なんと今年の孔子平和賞に鳩山由紀夫元首相が候補に挙がっているという。この賞は、2010年に中国の人権活動家劉暁波氏がノーベル平和賞を受賞したことに対抗して中国で設けられた賞だ。しかし、1960年代の文化革命当時は批林批孔が盛んに叫ばれ孔子は旧体制の弾劾すべき対象だった。半世紀後に平和賞の冠を被せられるなど孔子にとっては有り難迷惑な話だろう。
鳩山元首相にとって、果たしてこのノミネートはどんなものだろう。意外と内心喜んだりして。何しろ元首相は最近尖閣諸島について「係争地」だと言い切り、時に「日本がかすめ取ったといわれて仕方がない」とまで発言している。それも中国本土や香港でまるで中国政府の代弁者のごとく主張しているのだから、まさに開いた口がふさがらない。親中派というより、中国の代理人といってよい。
ところで、今年の孔子平和賞には他に韓国の朴槿恵大統領、シリアのアサド大統領、スノーデン元CIA職員の3人が候補に挙がっているというからさらに驚きだ。、いずれも世界の問題児だ。特に朴大統領に関していえば、産経新聞前ソウル支局長の在宅起訴を容認したも同然で国際的な非難を浴びている。日本では社民党や共産党も韓国の動きを批判するし、韓国のマスコミさえ疑問を呈している。今や朴槿恵大統領は世界の孤児ともいっよい存在である。
しかし、中国にとっては韓国の「裸の女王様」も反日指導者として存在価値があると認めたのだろう。その点は鳩山元首相と甲乙つけがたいといえる。来月受賞者が発表されるという。望むべくは鳩山氏と朴大統領のダブル受賞だ。
もちろん、そうなった場合、日本国民がどういう反応を示すかは知る限りではない。何しろ賞の設立当時から中国のネットでさえ「茶番劇だ」という陰口が絶えない平和賞だ。言論が限りなく自由な日本なら悪評極まれりということになるだろう。そして、こんな過激な声もでてくるかもしれない。どうして、「憲法9条を保持してきた日本国民」が候補に挙がっていないのか?来年のお楽しみということなのか。