粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

新潮VS朝日「手抜き除染やらせ疑惑」編

2014-10-17 18:54:07 | 反原発反日メディア

朝日と週刊誌のバトルは今も収まらない。特に週刊新潮は先週に引き続いて、朝日新聞の「やらせ疑惑」を糾弾している。朝日新聞が昨年1月に福島県内の除染作業で手抜きが「横行」している記事をスクープした。除染部分を高圧洗浄した水や作業で取り除かれた汚染草木を側溝や川にそのまま投棄している実態が暴露されたのだ。

確かにそれは事実であるかもしれない。環境省がその後究明に乗り出し一部の除染業者がそれを認めたからだ。ただ、それは程度問題であろう。果たして頻繁に行なわれているのか。こうした問題意識から週刊新潮の特集記事は組まれた。

記事では、朝日新聞の強引とも思われる取材方法を問題にして実態を誇張しているのではないかと疑問を投げかけている。すなわち、手抜き除染を告発したとされる作業員に対して朝日新聞がこれをさらに煽るようなやらせを指示をしているのだ。

たとえばICレコーダーを作業員に手渡して、現場監督に近いづいて「不法投棄」の言質を引き出す録音させる強引と思える依頼をしている。こうした手法は、他の作業員も同様でそれを裏付けるメールも新潮は入手しているのだ。

さらにこうした作業員に現場の問題部分をカメラで収めるよう指示もしている。あるいは、元作業員の証言によるとインタビューの際に、その返答集を朝日記者が予め用意し朝日の都合の良い発言を誘導させた疑惑も浮上している。

さらにやらせ取材の核心は、元作業員が環境省に「手抜き除染」を「告発」する部分だ。これも朝日記者主導で行なわれたようだ。記者が省の担当者に電話で先に概要を伝え、元作業員がそれを補強する実態が明るみにされる。環境大臣宛の抗議文書も記者がパソコンで制作し、環境省にファックスと郵便で送付している。その実態は対応した環境省の担当者も認めている。

こうした新潮からの「やらせ疑惑報道」に朝日新は自社の名誉と信用を毀損するもだと抗議して記事の訂正を求めている。その論旨はあくまでも元作業員自身の「意思」で証言されたもので決して「やらせ」ではないというものだ。しかし、新潮の記事を読むとどうしても朝日主導の「やらせ」を自分は強く実感してしまう。

今後、新潮と朝日のバトルはどんな展開をみせるか。両者ともに記事の対象になる相手には熾烈とも思える攻撃性を見せる。ただ、朝日が安部政権、原発推進勢力などの体制側や保守勢力に限定しているのに対して新潮の場合は体制反対性や右派左派の区別はなく多岐にわたっている。その点では思想的な偏向がなく新潮には共感できる。今週号でも小渕経済産業大臣の不透明収支疑惑を告発している。特定のイデオロギーや主張が先行するどこかの新聞に対しては今後も鋭い追及や糾弾を続けて欲しいものだ。

週刊新潮10月23日号

ページ1

ページ2

ページ3