粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

NHK会長の真意

2014-01-27 17:39:17 | 反原発反日メディア

産経ウェブによれば、NHKの籾井勝人会長は27日朝、(25日の)就任会見で慰安婦問題を「どこの国にもあった」などと発言したことについて、「個人的意見としても言うべきではなかった。非常に不適当だったと思う」と述べ、発言は適切ではなかったとの認識を示した、という。

確かに、「どの国も」という発言は言い過ぎである。むしろ、占拠した他国の軍隊が現地の女性を陵辱するケースが多い。第二次大戦でのソ連兵やベトナム戦争での韓国兵がその最たるものだ。

旧日本軍の慰安婦の方が一般兵の何十倍の報酬を得ていて帰郷後に家が建てられるともいわれいる。貧しい家庭の犠牲者も少なくなく、過酷な環境もなくはないが、暴行される現地女性と比べてどうなのか疑問が残る。

その点、籾井NHK会長は口走りの印象があるが、会長の言いたいことは次の箇所である。

慰安婦そのものは、今のモラルでは悪い。だが、従軍慰安婦はそのときの現実としてあったこと。会長の職はさておき、韓国は日本だけが強制連行をしたみたいなことを言うからややこしい。お金をよこせ、補償しろと言っているわけだが、日韓条約ですべて解決していることをなぜ蒸し返すのか。おかしい。

「(補償とかは)日韓条約ですべて解決していることをなぜ蒸し返すのか。」ということだ。これが一昨日の会長発言として必ずしもメディアの報道として伝わってこないことが問題である。

ただし、会長の発言で逆の意味で問題がある。自分のブログでも度々書いているが、旧日本軍が韓国女性を強制連行をした事実はない。「韓国が強制連行を主張している」という意味で会長が述べているのなら必ずしも間違いではないが、そこは微妙だ。まあ、この問題では現在の安部政権も対応に苦慮しているので、NHK会長としてはあまり誤解を招く発言は慎むべきだろう。その真意は充分理解出来るとしても。

ところで、今日午後の情報番組「ミヤネ屋」をみていたら、番組のコメンテーターがNHK会長の別の発言を問題にしていた。政府が右と言うことを左と言うわけにはいかない」この言葉尻を捉えて「NHKが政府の言いなりになっていては、報道人としてアウトだ」と読売テレビの春川正明論説委員と評論家の青木理氏が揃って批判していた。

しかし。実際は会長自身その前に次のように特殊の場合を語っているのだ。「国際放送は国内とは違う。領土問題については、明確に日本の立場を主張するのは当然のこと。」「国際放送での領土問題」に限定しているのだ。領土問題で政府が立場としている課題を国の影響化にある公共放送ならばこの方針は当然だ。まさか「日本が領有を主張している尖閣諸島」などと鳩山元首相のように報じたら視聴者から猛抗議の嵐だろう。

そして籾井会長は一般論として「政権の意向を代弁したいと考えるか」という質問には次ように断言している。

「ない。放送法と何度も言っているのは、それがあるから距離を保てるということ。私の発言は、政府からふきこまれたわけでも何でもない。」

「政府の言いなりにならない」ことをはっきりいっているのだ。春川論説委員や青木理氏がこの会長の発言を知りながら、政府追従を批判しているのなら事実を曲解して相当悪意を感じる。あるいはそれを承知していなかったら、ジャーナリストとしても資質を問われることになると思う(まずあり得ない話だが)。