粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

細川元総理の風評被害

2014-01-18 10:26:29 | プロ市民煽動家

細川元総理が昨年池上彰氏との対談で2020年の東京五輪について「安倍晋三首相が『オリンピックは原発問題があるから辞退する』と言ったら、日本に対する世界の評価が格段に違ったものになっていた」と語ったという。五輪開催に反対するのは自由だ。しかし、原発問題を第一の理由に挙げて論じることは風評被害を助長することになると思う。

元総理の見解では福島の原発事故は今なお影響が大きく、「東京五輪などやっている場合か」ということだろう。これは日本国民ばかりか、世界に対して誤ったメッセージを送る事になると思う。

福島の原発事故は「普通の物理学的意味」では収束している。原子炉が再臨介して放射能が再度放出されることはまずない。もちろん、広い意味では収束していない。汚染水の問題がある。しかし、安倍首相が断言している通り、「影響」は完全にブロックされているのだ。周辺海洋の魚介類に影響を及ぼすレベルではない。

あるいは、事故による十数万人に及ぶ避難民が現在も存在する事は事実である。しかし、これも政治的経済的あるいは社会的な問題であり、放射能による健康被害といった医学的な話ではない。実際、国内外の公的機関が揃って福島の事故による健康被害は将来にわたって問題のないレベルではあるということを公言しているのだ。

それを、元総理自身が五輪を辞退しなければならないほど事故とりわけ放射能汚染は深刻だと強調するのは、現状をよく認識しておらず、事故から復興に向けて努力している人々に水を差すものだと思う。とりわけ農業や漁業の再生に頑張っている福島の生産者、さらに日常生活を取り戻そうと務めている福島県民に対しても失礼極まる話だ。

これを世間では風評被害という。福島の「健康被害」を天皇に直訴した山本太郎参議院議員とさほど変わらない。山本太郎議員はあの騒ぎで一時的には「謹慎」していたが、直ぐに左翼メディアを拠点に風評被害活動?を再開している。

細川氏はこれまでの「五輪辞退」発言を撤回して、目下五輪開催容認の方向で公約を検討しているようだ。ともかく、今後の正式な発表を待ちたい。ただ元総理の本音のところはどうなのか。おろらく、選挙中に他の陣営から前の発言を突かれるだろう。よもや「フラッシュバック」して「五輪辞退」などと口走しることのないように願いたい。