中国のヘイトスピーチはここまできたのかと思わせる記事だ。
中国の人民日報海外版は「第2次大戦の戦勝国」として「日本が軍国主義の道に戻ることを防ぐため」に米中が提携するよう呼び掛けた。
論評は、中米両国は「盟友」として「日本鬼子」を打倒したと、日本人への差別用語をそのまま掲載。安倍晋三首相の靖国神社参拝などへの強い非難を米国が避けているとして不満を表明した。
その上で、日本を「仮釈放された犯人」と断定。「日本が誠実に罪を悔い改めれば人となる機会を与えてやる」が、「そうでなければ仮釈放の時間は無限だ」と決め付けた。(共同)
特に「日本鬼子」という差別用語まで使って日本を貶めている。どうも、習近平政権になって中国メディアによる日本攻撃が露骨でえげつなくなっている。
また「仮釈放された犯人」と呼ぶに至っては、自国が大戦の戦勝国であって、敗戦国は俺たちの言うことを黙って聞いていろといわんばかりだ。まさに本性丸出しだ。
これを日本へのヘイトスピーチといわずしてなんだろうと思う。昨年東京大久保での行われた在日に対するデモは、特殊な市民団体によるものである。しかし、これは紛れもなく中国政府主導のものといってよい。国家が隣国への憎悪を露にしているのだ。
そして、もう一つの特殊アジア国韓国だが、これまた国家ぐるみの日本攻撃が続いている。最近では「韓国政府が従軍慰安婦を世界記憶遺産登録する計画」がある。女性家族省が旧日本軍の慰安婦の証言や写真をこれまで韓国内で収集された資料に加えて「歴史的に貴重な文書」としてユネスコに申請する計画だという。
最近の産経新聞でスクークがあった通り、韓国が拠り所にする河野談話が相当お粗末なものであり、慰安婦問題の強制性も証拠だてる資料など到底存在していないのに「記憶遺産」もあったものではない。捏造に近いともいえる問題で国家が一方的に日本を攻撃することはこれまたヘイトスピーチそのものだ。
中国も韓国も元々反日教育が徹底して、その延長上で「日本鬼子」といった蔑称や韓国の「世界記憶遺産」計画があるといえる。その点では、このヘイトスピーチの根は深い。日本はこうした憎悪剥き出しの国家が隣国に存在している現実を認識すべきだろう。
日本国憲法の前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」とあるが、残念ながら、こうした隣国に「公正と信義」を期待することは困難である。日本は現実を冷徹に見つめて毅然と対応しなければならないと思う。
もちろん、他国を蔑称して喜んだり、事実を捏造して攻撃するなど民度低い同じで土俵で争うべきではない。国連や欧米諸国へのロビー活動は中韓に対抗して抜かりなく行う必要があるが、日本はあくまでも文明国家として確かな論拠をもとに国際的に通用する信義と公正で堂々と主張していくべきだろう。そして着実に世界全体を味方にしていく。不断な努力と時間がかかるだろうが、怯む事は後退でしかない。