目標26ポンド

そろそろ現実を直視しようと
体重計にのってみる。

・・・見たことない数字が表示される。
十の位、間違ってませんか？？？

完全なまでに洋梨体系のあたしの下半身は
足も
お尻も
お腹も
見事に1.2倍（見栄込み）。

唯一よかったことといえば
貧相な乳も1.2倍になり
脂肪が増えた分
揉み心地が格段に柔らかくなったとか
ならないとか。

このお尻、たまんないんだよねという評価に
甘んじてきたが
ジーンズも存続の危機。

彼氏の評価をとるのか
女の目線を気にするのか。

究極の選択。

乳のボリュームを残したまま痩せるためには
やはりサラシで包むしかないのだろうか。

一念発起するために
敢えてありえない体重を公表することも検討したものの
ありえなさがありえなさすぎるので
今回は差し控えさせていただく。

どのくらい好き？

付き合いはじめたころを百とすると
今どのくらいあたしを好きだと思う？

と聞いてみた。

答えは
二百点・・・だった。

鼻がツんとして
滴が零れた。

低空飛行。

チャッカマン

気付かなかったけれど
気付かないふりをしていたのかもしれないけど

自分のひとつの恋愛賞味期限の短さに
嫌気がさした。

もって１年。

きっともう彼のことは好きではなくて
彼の言うことにいちいちかちんとくるし
セックスもしたくならないし
嫉妬もしない。

もはや末期症状だ。

あたしが飽きっぽいだけで
ここはひとつ我慢して
彼の新しい良さを開拓する努力が必要なのか。

それとも本物の恋愛に出会ってないだけで
この恋が終わるのをただ待つべきなのか。

あたしのこころは
すぐ恋に落ちるところや
見込みのない恋愛に見切りを簡単につけられるところが
長所だけれど

ずっと続けばいいと思うひととの恋愛が
長持ちしないところが
短所。

こんな夜にはこんな映画「THE 有頂天ホテル」

雪の日、
わざわざ
朝いちで「THE　有頂天ホテル」。

「ラヂオの時間」ほど緻密な構成ではなくても
劇場の中は笑いが耐えず。

ＹＯＵが仕事で歌ってるのを
久々に見た。

個性的でいい声。
またネタとして音楽活動を再開するのも
おもしろいかと。

異種交配

同じ会社のＣ。
捕えどころがなさすぎて
いつか差しで飲んでやろうと企んでいた。

そこへ誰か紹介してよと、
友達の友達、Ｎのリクエスト。
真っ先に思い浮かんだのはＣの黒子だった。

あたしが
男として
ひととして
関心があるＣ。

あたしが
女として
魅力的だと思うＮ。

ＣとＮを掛け合わせると
それぞれ単品で飲む以上に
おもしろくなる直感がした。

Ｃはかっこいいとはかけ離れてるが
こうして斜向かいに眺めると
なるほどいじりたくなる顔をしている。

Ｎはかわいいとは言えないが
浅くない雰囲気がある。

Ｎとはきっと
男の趣味がかぶっていて
ＮはＣの独特のリズムが好きだと言った。

あたしの目に狂いはなかった。

ＣとＮは
二人乗り自転車に乗ったように
息が合ったペダルを漕ぐ。

あたしは前の籠に乗せられてる感じ。

今夜ほど
酒が飲めない自分を恨んだことはない。

それでも
差しで飲んでいたら
あたしが引き出してたのとはひと味違う、
Ｃの蟹味噌をＮは引き出していたと思うし

Ｎの話をＣの観点からみると
また違った角度に見える。

昨日までは他人だった、
ＣとＮの人生が交差する。

この歪な三角形が
どんどん形を変えても
またどこかで相似が生まれることを
こっそり願った。

リセット

率直に述べると
２日間
会社をさぼった。

体調は至って良好。

ただ
箍が外れたというか
魔が差したというか
こころと身体のバランスを崩した。

つまりリセットしたくなった。

社会人としては
甚だ自覚に欠ける行動ということは
甚だ自覚している。

言い訳はいくらでもあるけれど
同情の余地もない。

こころとからだをつよく

王様は、その後

王様の耳はロバの耳を書いたあと

いろんなひとに
あの夜のことを話した。

日が経つにつれ
やはり尋常ではないと思い直す。

その現場に自分を派遣している、
自分の会社の営業さんに相談。

自分の会社と現場の仲介をしている会社が
組織として対応してくれることになった。

並行して
あたしはセクハラ対策窓口に
フリーメールでアカウントを作り
自分の身分を隠して
相談メールを送った。

企業と企業の利害関係と
個々人の利害関係を考慮すると
あたしは簡単には身動きできなくなった。

仲介会社の無色の圧力を感じつつ
セクハラ対策窓口の担当者とコンタクト。

ペリカン文書のよに
疑心暗鬼。

誰かに頼りたいし
誰も信じられないし。

いよいよ仲介会社が加害者である部長に進言する日
忠告/警告を促す匿名メールが部長に届いたらしく
仲介会社の対応の前に
加害者である部長に呼ばれ、謝罪された。

しかし
あたしの目的は謝罪ではなく
再発防止。

謝罪があろうがなかろうが
どうでもいい。

もう二度と同じよ不快な思いを
他の女性にして欲しくない。

自分がセクハラを拒絶できなかったからこそ
そのようなときに拒絶する方法を
会社単位で教育する機会ができればと思ったし

自分がセクハラに遭ったとき
誰に相談すればよいか悩んだからこそ
そのようなときにどのように対応すればいいのか
会社単位で教育する機会ができればと思ったし

何より
いまだにセクハラを容認する意識が
会社単位で変わる機会ができればと思った。

セクハラ対策窓口の担当者は
清潔感があり
かっこよかった。

頭がキれるひとだとわかったので
洗い浚いぶちまけた。

日時
場所
被害者
加害者
居合せたひと
会話の内容
行為の詳細
その後の自分の対応
組織への要望
謝罪があったこと

会社が動くということは
もしかしたら
すごくお世話になったひとに
火の粉がかかるかもしれない。

もしかしたら
自分が不利な立場になるかもしれない。

それでも全てを話した。
少し嘘をつけばよかったのかもしれない。
関係ないところは言わなくてもよかったかもしれない。

それでも全てを話した。

自分がしたことで
何が変わるかわからない。
何も変わらないかもしれない。

悪い方向に変わってしまうかもしれない。

あたしは
何かを失う危険を冒して
そこまでするべきだったのだろうか。

それはまだ、わからない。

立ち喰いしゃぶしゃぶ

あたしは滅法タイミングが悪い。
きっとタイミングの悪い星に生まれついた。

自分の会社の新年会があった。
普段は別々の現場に行ってる面々が
１年に２回大々的に100人単位で
集結する。

いつものことながら
タイミングエラー王のあたしには
立食形式はしんどい。

誰と話していいかわからないし
誰かと話してない自分を見られるのが恐い。

誰かと話してる誰かに
どのタイミングで混じればいいのかわかんない。

実際は誰が誰と話してようと
誰も気に留めてないのだけれど。
マイナス自意識過剰。

いくつかのテーブルに無作為に振り分けられ
去年の新年会より１年間かけて
ずっとたくさん知り合いを作る努力をしてきたけれど
自分のテーブルにはひとりも知ってる顔がいなかった。

知らないひとばかりだからこそ
これも顔をつなぐチャンス！と思うも
話しかける適当な、
ブリティッシュお天気系ネタもタイミングも掴めず・・・

痺れをきらして
周りの餌を漁りに行く。
カマンベールのひと切れが小さい。

千葉ちゃんが楽しそうに話してるのを
遠くから指を咥えて眺める。

しゃぶしゃぶにたっぷりごまダレをかけて
しゃぶりついてると
１年間の社内営業の甲斐あってか
それでもけっこう肩を叩かれる。

１回目より２回目、
２回目より３回目に会ったひとが
少しずつ自分の抽斗を開いてくれる、
音がする。

今の奥さんと知り合ったのは
レゲエクラブで
ボブマリーのレジェンドというアルバムは
最高である話。

ホノルルマラソンを５時間ちょいで走って
次はベルリンマラソンを狙ってる話。

新婚さんなのに
合コンで知り合った嫁さんが家事面倒くさいという理由で
週末婚しつつ
いまだにお互い実家に住んでる話。

前の仕事はヨドバシカメラで
テレビ売り場担当。
１日で1000万円売り上げたけど
喉が枯れて血が出る話・・・

立食なんて
自分が楽しければいいんだよ、
無理に話そうとしなくたっていい、
という奥義を教えてくれたひとがいて

そこからは
しゃぶしゃぶに集中できた。

向こうに好きだったひとがいる・・・

でも近づくと
またきっとちょっかいを出して
自己嫌悪に陥るから
近寄らないようにしよう。

ＩＴＩＬる

今流行りの、
ITILのセミナーを受けた。

運用系の業務に携わっているし
何より会社が評価している資格だから。

講師は同じグループ会社の教育事業部の女性。
あたしから彼女までの距離は
５メートルくらい。

かわいい系で
利発な雰囲気だ。
見た感じ、
同い年か、ちょい下くらい。

女の悪い性か
あたしの僻み根性か
あたしは彼女の粗探しを始めた。

が、彼女は完璧だった。
あたしは素直に講義を受けることにした。

ITILは
ＡはＢだ、
みたいに語句を暗記するというよりは

ＡはＢである、
という概念を持っていて
その概念を自分なりに咀嚼して吸収する感じ。

彼女の講義は
テキストの棒読みではなく
概念を身近な言葉と
実際の運用に置き換えて説明。

わかりやすくて
理路整然。

体系付けて
細部に落とす。

本当に理解していて
教えることに慣れてるひとの技。

お昼休みに彼女をランチに誘う。

近くで話すと
目尻の小じわと染み発見。
自分で暴露してたけど35歳だった。

３歳の子どもを育てながら
働いてるスーパーママ。

10歳近く若く見えたのは
彼女の充実してるオーラのせいかもしれない。

大勢のひとの前で
教えるという一種のプレゼン能力。
あたしには足りないものだ。
盗みたい要素。

最後にITILについて述べると
素晴らしい仕組みだと思う。

概念を学んだだけでは
実際の運用にすぐには活かせる自信はないけれど。

そんなITILの受験は12時間後。

パケットの気持ちを考える

今の会社に入るとき
一度は面接で落とされたものの
あたしを拾ってくれた神がいた。

久々に会ったそのひとが
「ネットワークエンジニアに必須の資質」という文章を
印刷して、くれた。
　
引用するとこんなことが書いてある。

ネットワークエンジニアに必須の資質とは
　①マニュアルをきちんと熟読する習慣がついていること。
　②ネットワークの動きを理解する際、
　　パケットの立場になって考えることができること。
　③曖昧な理解で行動することが嫌なこと。

正直にいうと
・・・全部当てはまってない。

特に②。
パケットの立場になって考えるなんて
思ったこともなかった。

あたしが気をつかっていたのは
いつもルータのことばかり。

ルータがどのルーティングをもってるとか
ルータがどこからアップデートをもらってるとか
そのルータがパケットをどのルータに手渡すかとか。

パケットになりきって
ネットワークを見つめれば
もっとわかりやすいかもしれない。

あたしには考える癖がない。
考える癖がないから考える力がない。

せっかく縁あって
ネットワークの世界に来たのだ。

試しに
目には決して見えることのないパケットに
思いを馳せてみる。

自分がパケットだとすると
強いて言うなら
ルータはカーナビ？