家田荘子がテレビに出ているのを見た。
見た目同様、
中身も奇を衒ったひとなのかと
勝手に思っていたが
彼女が喋るのを聞いていて
いろんな抽斗を持っているし
なかなか頭の良さそなひとだと思い
「AV男優」を読んでみることにした。
あたしがアダルトビデオを見る機会といえば
前の前の彼氏が置いていった、
「女尻」という古いビデオと
ラブホテルでやってるのを目にするくらいで
この本に登場する男優の名前を
ほとんどあたしは聞いたことがない。
家田荘子がAV男優を取材する。
女性である彼女が
AV男優を取材するということ自体はおもしろいのだけれど
彼女の文章は特に個性的ではなく
「あなたにとってAVとは?」とか
そのひとの外見とか
在り来たりの描写に感じて
彼女が彼女の視点で
彼女ゆえ感じられたことが
余すそことなく書かれているのか
そのそれぞれのAV男優の、
映像からだけでは触れることのできない個性や
背負ってきた人生を
余すことなく引き出すことができているのか
はかなり疑問。
以下は気に入った抜粋。
「私が、人の下半身を取材し続けるのは、
その人の下半身を取材させてもらった場合、
下半身を通じて上半身が見えてくるからだ。
上半身を取材しただけでは、
その人の下半身は見えて来ない。
それだけ人の下半身は、正直だということなのだろう。」
「僕、日焼けサロンで、全裸で焼いているもんで、
タマの色まで黒いんですよ。
それを見た瞬間、監督さんが、
『君、タマの色が、チョコボールみたいな色だね。
それで行ってみたら?』て言ったんです」
この本を読んでから
彼氏にTSUTAYAのアダルトコーナーに
付き合ってもらった。
女性がそのような場所に足を踏み入れる場合、
他の男性に入ってくるなと思われるのは承知で
本に出てくる男優の作品を探した。
男優の名前が書かれてるパッケージは
全くなくて
見たい作品は探せなかった。
男優の仕事への取り組み方や
そのひとの人生を垣間見れば
その作品にも興味が湧く。
AVの撮影現場の見学に行ったり
ラブホテルでAVを凝視したり
この本に魅きつけられたのは
この種の世界に相当興味を
あたしは感じてるのかもしれない。
AVの撮影現場で
AV養成スクールの校長が
熱心に
その「映像」の世界に誘ってくれたのは
そいうことなのかもしれない。