花火

１年に１回青い眼をした、かわいいかわいいカレシ宅前で行われるという
花火大会。

青い眼をした、かわいいかわいいカレシの、
兄の、あたしより10歳くらい年下のタヒチ人の婚約者と仲良くなろうと思って

「あー、髪の毛の色変えたんだ？」と朗らかに気を遣って話しかけてみたのに

「いや、変えてないけど」とあっさり会話終了され。

家族ぐるみで付き合いがあるらしい、
長女がプロバレリーナで
長男がプロアイススケーターであることを超誇りに思ってる一家のママが

青い眼をした、かわいいかわいいカレシが
いつも自慢話ばかりであんまり好きじゃないと言ってたとおり

ちょっとだけ誇りに思ってる次女を指して

「この子は学校の先生なのよー
　21歳で学位取ったんだから」

とあたしに自慢してたらしいのだけれど

NZの学校制度がわからないあたしには
その自慢のすごさが伝わらず。

そんなこんなで花火ははじまったけれど

「あれ、今のしけってて失敗作？」という玉が続いて

ここは隅田川じゃないんだってことを思い出した。
暗闇の中、こっそりキスをした。

にまにま。