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こんな夜にはこんな読書「トニオ・クレーゲル」

2007-12-29 20:52:07 | こんな夜にはこんな読書
たまたま見つけたハイソなブログ、「半透明記録」

「けれども『トーニオ・クレーガー』、ぼくはこの小説をたいそう愛していた。
 生きることよりもこれの方がだいじに思われたことがあった。
 この小さな本が道づれであるなら死んでもいいとさえ思われた、
 むしろそうして早く死にたいと思った。」
 
こんな引用があってからというもの
あたしはずっと「トーニオ・クレーガー」が気になっていた。

ノリで読んでみた「夜と霧の隅で」の北杜夫はペンネームを
「トニオ・クレーゲル」にちなんでつけたと知って
あたしはより一層「トーニオ・クレーゲル」が気になっていた。

ということでとうとうトーマス・マンの「トニオ・クレーゲル」を読んでみる。

苦手な翻訳文学にしては読みやすかった。
そして道づれになって死にたいというよりはずっと浅いレベルで深く共感した。

似たよなテーマに感じた「キャッチャー・イン・ザ・ライ」より断然、苦しかったし、共感した。

心にひっかかった言葉。

「あれこれ考えたが、いざそれを口にする勇気は出そうになかった。
 事情は少しも変わってはいなかった。
 二人は自分を理解しないで、自分の言うことを、
 うとましそうに聞いているだけだろう。
 二人の言葉と自分の言葉とは違うのだから。」

もしフランス文学ではなくドイツ文学を専攻していたら
この作品で卒論を書いてみたかった。
コメント (2)
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