旅する小林亜星

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陰男と陽男

2005-01-27 22:13:46 | 恋のうた
陰男と付き合いはじめたのは
一昨年の今ごろだった。
出会って1週間、あたしの熱烈電話アタックで陥落した。

家も近かったし
ほぼ毎日いっしょにいた。
寝食と喜怒哀楽を共有した。
居心地がよくて楽しかった。

陰男は厭世的で非社交的、
だけど笑顔はかわいかった。

そして、ほぼ同じ時期に出会った陰男と正反対の陽男。
底抜けに明るくて
周りの雰囲気が読める陽男にもあたしは魅かれた。

いつしか陽男へのほのかな想いは恋に変った。
虐げられた恋は苦しくて苦しくて肥大化した。
陰男の隣りで眠る毎晩、
あたしは陽男の夢をみた。

寝言で陽男の名前を呟かないか不安なほどに。

誠実にあたしを想ってくれる陰男に対して
不誠実なあたしが許せなくて
別れようかとも思った。
でもいざ別れを告げようと思ったら
急に悲しくなって陰男が愛しくなった。

それでもあたしの不誠実な想いは消えなかった。
一度だけあたしは陽男に想いを告げた。
それは陽男のあたしに対する気持ちを確かめるためでは決してなく
ただただ虐げられて支配不能になった想いを解放したかった。

そして陽男はそれを聞き流してくれた。

なんだかんだ陰男とは1年半続いた。
最後はお座成りな終わり方だったけど
居心地がよかったのは陰男の忍耐のお陰だと思ってる。

今でも陽男のことは好きだ。
想いを告げることはこの先絶対にないから
心の隅のほぅで陽男をずっと想いつづけると思う。

陰男と別れてから
一度だけ陽男をデートに誘ったことがある。
あっさり却下。

叶わぬ想いなら
いっそ
せめて一度だけ交わりたい。
コメント
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