心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

もう一人の師匠

2007-10-30 | 
                 もう一人の師匠:みーにゃ
 



書道教室では、そろそろ来春の展覧会に向けた準備が始まる。
来年は15回記念、そして会が始まって20周年記念展。
私も母も、そして皆さんも今から気合は十分!

なので、先週末は参考作品を書き始めた。
本当は作品にお手本なんて必要ないのだけれど・・・。

あれこれ古典を広げてみたりして、その時心地よい音楽を聴きながら
好きな香りのお香も焚いて、白い紙に向かいイメージを膨らませていく。
その時間が、創作の楽しみであり一番ドキドキする瞬間。
だから、これを体感しないなんてもったいない・・。

私の場合、1枚、2枚、3枚と書くうちに、同じ題材であっても、筆も紙も、
書体も書風もどんどん変わっていく。私の書はどちらかというと*率意の書。

書けば書くほど興に乗じて、李白にとっての「一杯一杯復一杯」のお酒のように
時には朝食べたきりで、空腹のあまり目が回っても書くことを止められなくなる。
それで年中、胃酸過多で胃薬のお世話になりっぱなし。

そこまでして書いても書いても、なかなかこれだ!というものは書けない。
だからまた書く。完成なんて永遠にないような気がしてくる。 

そんな時うちの猫たちは、上手に紙と紙の隙間に正座して、書くことに夢中に
なっている私をじーっと眺めていたり、そうかと思えば突然書き終えた作品の下に
潜り込んで、墨だらけになりながらくしゃくしゃにしてくれる。

でもなぜか「あ~!こらっ!」とは思わないの。
みーにゃが、これはだめ~って言ってるんだと思って、あっけなく諦める。
現に、私がこれはちょっといいかもって感じる作品には一度も突進しないのだ。

写真の目、真剣でしょ?


*率意の書:率はにわかという意味もあり、書く意欲が高揚した時に即興的に 
        書き上げた書のこと。
        対して、綿密な構想を練り書き込んでいった書は「刻意の書」。
コメント (7)
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