脳腫瘍の夫と共に

2010年4月グリオーマと診断された夫との手探りの日々…

闇の中で

2013-11-21 22:49:36 | 私の思い 3
寒くなった。

夏の間、それぞれに好きな場所で寝ていた猫たちも
私の布団にもぐってくるようになった。

老猫は私の右側
若猫は私の左側

二匹の猫に挟まれて
眠れぬ夜を過ごす

私が動くと
猫たちが目を覚まして
鬼ごっこを始めてしまうから
じっと
直立不動の姿勢でいる


最後の入院直後
延髄への転移のせいで
麻痺は右半身から
あっという間に
全身へ広がった

お見舞いの人たちに
涙を流し
娘の呼びかけに
「はあい」と答えながら
動かなくなってしまった体で
夫は何を思っていたのだろうか・・・



私の
ただ一人の理解者だった
ただ一人
何があっても
私の味方でいてくれた人だった
何があっても
私の考えを支持してくれた人だった


そんな人に巡り合えたことの幸せと
そんな大切なひとを失くした悲しみと
もう
この世界に
そんなふうに
私を支えてくれる人はいないのだという心細さと


闇の中で
さまざまな思いに揺さぶられながら
ただ
じっとしている