扇子と手拭い

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

大切な場の雰囲気つくり(落語2-37)

2011-02-26 18:28:58 | 日記
▼舞い込んだ大きな知らせ
 昨日は関東地方に春一番が吹いたそうで、わが家も夜中に雨戸がガタガタ音を立てていた。そんなところに、大きな知らせが舞い込んだ。チューリップ祭り(千葉県柏市・あけぼの公園)の出演が正式に決定した。この祭りは毎年、期間中の2日間で関東各地から10万人以上の入場者を迎える大変な催し。早々に文七迷人会のメンバーに知らせた。

 広大な敷地の土手には白梅、紅梅がいまを盛りに乱舞し、見事な花や蕾を付けている。ここは別名、花公園と呼ばれるほど四季を通してコスモス、ユリ、アジサイ、シバザクラ、ナノハナなどが咲いている花の楽園。チューリップ祭りは入場無料とあって、昨年は東京などから12万人が訪れたという。

▼資料館の「こけら落とし」
 中央の芝生広場前の特設ステージでは、デキシージャズや詩吟、チアガール、日本舞踊、ブラスバンドなどのイベント。今年のエントリーは3月1日からだという。文七迷人会の落語会「わかば寄席」は、これらとは別に公園内の資料館で開催する。現在は改装中で「わかば寄席」は、新装なった資料館の「こけら落とし」(公園担当者)というわけである。大変な役回り。2日間とも2部構成で、第1部は午前11時から12時30分。昼食時間を挟んで第2部は、午後1時30分から3時30分を予定している。

 物事は何でもそうだが、「場の雰囲気」というものがとても大切である。ジーンズ姿で落語をしゃべっても様にはならない。聴いてる方だってピンとこない。「趣味の世界で適当に遊んでいるな」と感じるに違いない。やはり高座は着物をきて、帯をきちんと締めて上がらなくてはいけない。落語の学校「花伝舎」で足袋を忘れたり、雪駄をはいてない受講生を師匠が厳しく注意した。姿形が整っていると、自然に気持ちが引き締まる。

▼お客の前に出るのだから
 2009年秋の落語芸術協会の「落語まつり」で桂平治師匠と楽屋をともにした。その際、師匠が着替えの前に電気カミソリで、しきりにひげを当っていた。伸びてもいないのにどうして?と師匠に尋ねた。「これからお客さまの前に出るのですから。私のクセなんです」と師匠。プロ根性を見た思いがした。間違っても、無精ひげなど生やしたままで高座に上がるものではない、と言ってる気がした。青々と剃り跡も鮮やかなサッパリとした姿は、いかにも心地よく、見る者に清潔感を与える。

 身だしなみは個々の出演者が整えるとして、まずは寄席らしい会場の雰囲気つくりである。高座は客の目線と同じではいけない。最低、膝一つぐらいは高くなくては、演者の動き、仕草が見えない。以前、高座を白い布で覆われたことがあったが、はたから見ると棺桶の上に乗っかっているようで落ち着かない。やはり、ここは赤い毛氈がいい。なければ赤い毛布でも可だ。

▼めくり台作ってあげる
 落語会に欠かせないのは「めくり」。出演者の名前を書いた垂れ幕だが、高座のわきに「めくり」があるかないかで、会場の雰囲気は随分違う。そんな話をしたら、「じゃあ、ウチでめくりの台を作ってあげる」と公園担当者。有難い。さっそく「高さ1㍍30㌢、幅30㌢でお願いします」と注文した。座布団、落語用の特製は値が張るので家庭用で代用する。最後の雰囲気つくりは出囃子である。これはCDを持参するのでCDラジカセがあればOKだ。

 赤い毛氈の高座のわきに「めくり」が立つ。出囃子に乗って登場、となる。ここで拍手が来れば、「場の雰囲気」は完璧。あとは皆さんに楽しんでいただける噺が出来るかどうかだ。2日続けての公演は初めてだけに、楽しみである。

コメントを投稿