▼難しい落語の表現
6月27日の当ブログ「ユーモア心得たお譲さん」の続きです。
落語の学校「文治塾」は前回紹介した2人のほか、4人が高座に上がった。19歳の男子学生は「今日は見学に来た」と言いながら、自己紹介では笑いを取るなどやる気満々だった。あたしは前回、途中で沈没した「藪医者」を披露。師匠から貴重な助言をもらった。
注意1はネタ。「藪医者」だが、50年以上も前に柳家小さんのが高座にかけた噺。それをそっくりマネても今の時代にそぐわない。あたしもそう思ったので「病家」は「病人」と言い換えた。「約束を反故にする」ことを「ションベン」と小さんが言った。これも現代では理解できないと思って、この部分をそっくりカットした。
▼言い換えるなど工夫が
「ついでにチンピも削ったら」と師匠。噺では「薬の名前だ」と言うだけ。自分で話していてもピンと来ない。多分、漢方薬の「陳皮」かな、と推測するくらいだから思い切ってカットした。
いくら名人とは言え、小さんが活躍した時代と現在では時代が違う。言葉も当時のままでは今の人に通じない。言い換えるなど工夫が必要だ。へっつい、と言って理解できる人がどのくらいいるか? かまど、のことである。かまど、も分からない?
▼恥ずかしがらないで
話す時は「正面を切る」ことが大事、と忠告を受けた。目線が下だと声が遠くまで届かない。「恥ずかしがらないで」やらないと、と師匠。あたしの悪いクセが治っていないようだ。6年前に落語を初めて習った時も、同じ注意を受けた。
もう一つ。上下(ジョウゲではなく、カミシモという)。登場人物の立ち位置、顔の向きだ。飯炊きの久三と藪医者。左を向いて話していた久三が時々、正面に向きを変えるがよくない。聞き手は「今、誰が話しているか」分からなくなる、と注意された。
▼ノミニケーションが一番
プロの噺家は時々、正面を向き、後で元の形に戻すのでそうするのがいいと思っていた。これは腕が上がってやることで、まずは基本をきっちりたたき込め、というわけだ。落語仲間だけの稽古では、こうした細かな点は気付かない。やはりプロの目は違う。
2時間半の稽古は、中味が濃かった。あたしが師匠に「軽く一杯やりませんか」と声がけし、時間に余裕のある5人が師匠を囲み、近くの居酒屋で“反省会”を開いた。この時間が楽しみで稽古に通う人もいる。仲間意識を深めるにはノミニケーションが一番だ。楽しい会だった。
6月27日の当ブログ「ユーモア心得たお譲さん」の続きです。
落語の学校「文治塾」は前回紹介した2人のほか、4人が高座に上がった。19歳の男子学生は「今日は見学に来た」と言いながら、自己紹介では笑いを取るなどやる気満々だった。あたしは前回、途中で沈没した「藪医者」を披露。師匠から貴重な助言をもらった。
注意1はネタ。「藪医者」だが、50年以上も前に柳家小さんのが高座にかけた噺。それをそっくりマネても今の時代にそぐわない。あたしもそう思ったので「病家」は「病人」と言い換えた。「約束を反故にする」ことを「ションベン」と小さんが言った。これも現代では理解できないと思って、この部分をそっくりカットした。
▼言い換えるなど工夫が
「ついでにチンピも削ったら」と師匠。噺では「薬の名前だ」と言うだけ。自分で話していてもピンと来ない。多分、漢方薬の「陳皮」かな、と推測するくらいだから思い切ってカットした。
いくら名人とは言え、小さんが活躍した時代と現在では時代が違う。言葉も当時のままでは今の人に通じない。言い換えるなど工夫が必要だ。へっつい、と言って理解できる人がどのくらいいるか? かまど、のことである。かまど、も分からない?
▼恥ずかしがらないで
話す時は「正面を切る」ことが大事、と忠告を受けた。目線が下だと声が遠くまで届かない。「恥ずかしがらないで」やらないと、と師匠。あたしの悪いクセが治っていないようだ。6年前に落語を初めて習った時も、同じ注意を受けた。
もう一つ。上下(ジョウゲではなく、カミシモという)。登場人物の立ち位置、顔の向きだ。飯炊きの久三と藪医者。左を向いて話していた久三が時々、正面に向きを変えるがよくない。聞き手は「今、誰が話しているか」分からなくなる、と注意された。
▼ノミニケーションが一番
プロの噺家は時々、正面を向き、後で元の形に戻すのでそうするのがいいと思っていた。これは腕が上がってやることで、まずは基本をきっちりたたき込め、というわけだ。落語仲間だけの稽古では、こうした細かな点は気付かない。やはりプロの目は違う。
2時間半の稽古は、中味が濃かった。あたしが師匠に「軽く一杯やりませんか」と声がけし、時間に余裕のある5人が師匠を囲み、近くの居酒屋で“反省会”を開いた。この時間が楽しみで稽古に通う人もいる。仲間意識を深めるにはノミニケーションが一番だ。楽しい会だった。