落語長屋の熊公も、はち公も怒っている

「おい、聞いたか熊」
「何だ、ってんだ？」
「安倍の野郎が、1億総活躍社会というところを、うっかり1億創生といったんだってよ。間抜けな野郎だぜ」
「だってお前えー、安倍の野郎はハナからモノが分かっちゃーいねんだから、当たり前えーだろう」
「なるほど。それにしても違えが分からねーで、よく、ベラベラしゃべるなー、あの野郎は」

「とぼけた国会答弁てーのはまだあるんだ」
「何だいそいつは？」
「パートの平均収を聞かれて野郎、なんと言ったと思う？」
「知らねー」
「こう言ったんだよ。亭主の稼ぎが月50万円。そこへ、景気が良くなったからパートに出ようと、勤めに出たカミさんが25万円だ、と言ったんだ」
「するってーとダンナと女房でもって75万て寸法かい？　たいしたもんだなそりゃー」

「バカ野郎！　そんなにくれるところがどこにある？　あるわけねーだろ。　75万なら大名暮らしだ。そんな勤め先があんなら、オレが行きたいよー」
「いや、オレもチョイト、おかしいと思ったんだ。だって、パートがみんな、そんなにもらってんなら、年収200万円以下がゴロゴロいるわけねえもんな」

「安倍の野郎はオレたちのことはちっとも分かっちゃいねえ。野郎のおやじも、そのまたおやじも、みんな国会議員だったろ。ずっとオレたちの年貢、税金だよ。それで生活しているだろ。野郎はガキん時から苦労してねえんだ。」
「言われてみりゃあその通りだ。安倍の野郎は親父がポックリ逝ったんで、とっつあんの縄張りと、しこたま貯めたゼニ、それと看板をそっくり引き継いで楽して議員になった」

「その通りだ。世間てーものがちっとも分かっちゃーいねえ。だからお前えー、パートが月25万円なんて間抜けなこと言うんだ」
「しょーがねえ野郎だな」
「おうよ、町の衆も、村の衆もみんなアタマに来てんだ。夏に選挙ってのがあるそうだ。投票用紙とかいう紙の札を入れんだとよ。その札でもって野郎をやっつけるんだ、て町の衆が話していたぜ」
「そりゃいい。オレも札入れに行くよ」　　　（終わり。安倍晋三も終わり）