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落語とミュージシャン(落語2-36)

2011-02-24 23:51:32 | 日記
▼開演前から長蛇の列
 桂平治師匠とミュージシャンとのコラボ「創遊・楽落らいぶ」を聴きに行った。東京・上野の東京文化会館は平日だというのに開演前から長蛇の列。めずらしい取り合わせに加えて、500円という料金の安さが人気を呼んだようだ。

 会場が同会館小ホールというので、座席もせいぜい100か200程度だろうと思ったら、何と650席もあった。小どころか大ホールだ。2月22日午前11時の開演なので10時35分ごろ着いたところ、曲がりくねって長い列が続き一瞬、どこが最後尾か分からないほどだった。満席である。

▼出囃子に代わりギター
 最初にギター、フルート、ウッドベースによる「ス・ワンダフル」「黒いオルフェ」などボサノバ調の軽快な演奏が、トークを交えて4曲続いた。ひと呼吸置いたところで、舞台袖から平治師匠が紋付姿で登場。いつもの出囃子に代わり、この日はギターとベースの演奏が迎えた。

 東京文化会館と花伝舎の共催による音楽と落語のコラボレーションは、「ことしで7年目を迎えた」と師匠。第1回目に出演したのが平治師匠だったそうで、この日が2度目。そんないきさつをマクラで振った後、落語「味噌蔵」を披露した。

▼落語と楽器のコラボ
 この噺は、味噌蔵のドケチな旦那の留守中に、使用人たちが日ごろの憂さ晴らしに豪勢な酒宴を開く、という愉快な落語。支払いの勘定をごまかす場面で、番頭が「ドガチャカ、ドガチャカ」と算盤をはじくのに合わせて、マラカスがガシャガシャと鳴った。

 ほかにも何カ所かでギターなどが奏でられた。落語の最中に楽器で音を奏でるのは初めて聴いた。だが、私は、この演出はあまり好きではない。やはり演奏は演奏、落語は落語と別にやった方がいい。

▼落語は話芸、想像芸
 落語は話芸だ。噺の中に登場する太鼓や笛の音も噺家が擬音を演じて聴かせる。落語は想像芸でもある。客は噺家が演じる擬音を受けて、「なるほど今、太鼓をたたいてんのか」などと、頭の中で太鼓の絵と音を思い浮かべるという寸法だ。古典落語の「火焔太鼓」や「片棒」など楽器が登場する噺は多い。

 別にコラボにケチを付けようというのではない。私は別々が好きなだけで、新しいことにチャレンジするのは結構なことだと思う。いろんなことに挑戦する中で、思ってもみなかったような新しい発見に出会すかも知れないからである。

 平治師匠の「味噌蔵」、楽しかった。

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