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2人して必死で客を集めた落語会は大盛況!

2017-12-09 01:00:02 | 落語
 いつもは夜席だった落語会を今回初めて昼席に替えた。落語仲間が「夜だと私の客の帰りが大変なので何とかならないか」と声がかかった。

 本業は喫茶店だが、店の主が大の落語好きで数百万円かけて店内に高座を設置。ここがあたしたちの定席だ。本職の噺家もここで落語会を開いている。

 店の主に昼席の件を相談した。「本職もみんな夜やっているが、承知した」と今回に限って快諾してくれた。ところが肝心の落語仲間が体調を崩し休演。大挙引き連れてくるはずの客がパーになった。番狂わせ。

 さあ、慌てた。この店は浅草の一等地。本職が独演会を開く際は会場費を払って借りている。ところがあたしの会の会場費はタダ。これだけ世話になればウラを返すのは当然。ひとりでも多くの客を集めて、わずかでも店の売り上げに協力したい。これが人間関係の基本ではなかろうか、と私は考える。

 こりす師匠と2人で必死に頑張った。彼女の友達は昼間働いている人が多い。夜なら聴きに来れるが昼間は無理。そんな中で「今年賀状の整理をしながらご無沙汰の方にも声をかけています。もう少し頑張ります」「仕事を早めに終わらせてきてくれます」と次々うれしいメールを届けてくれた。

 あたしも頑張らねばならない。ご贔屓さまに重ねてメールを打った。電話帳を引っ張り出して、以前一度、来てくれた人にも電話をかけた。フェイスブック仲間にお知らせを出した。知り合いの元国会議員にも電話した。

 何とか人を集めなければと思ったからだ。あたしとこりす師匠の2人で、立派に落語会を成功させて見せる。

 そして迎えた12月7日。平日の木曜日。果たして何人集まるか?不安と期待が交差した。なんと会場は開演前に満席となった。

 12時きっかりに開演。開口一番はあたしが務めた。愉快な「権助魚」でご機嫌を伺った。よく笑ってくれた。「これで今日の落語会大丈夫」、と自信を深めた。

 次いで明大落研の若手ホープ1年生男子が登壇。技のいる「片棒」を元気にこなした。続いて粋な三味線と唄の引き語りで師走の浅草がさらに盛り上がった。

 ここで中入り10分の休憩。そしてこりす師匠が、志の輔の新作落語「隣の喧嘩」を披露。これは彼女にぴったしカンカンの落語。声も大きく張りがあった。

 最後の一席はあたしが艶笑噺の「明烏」をかけた。客のノリがよく、気持ちよく話せた。落語は想像芸。客と噺家のキャッチボール。ともに呼吸があった時、会場に充実感が漂う。

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