扇子と手拭い

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間抜けなことをいやがると、承知しねえぞ!

2016-09-30 00:07:30 | 落語
 厚生労働省は29日、毎月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」について、70歳以上の負担上限額引き上げの議論を始めた。年内に結論を出し、早ければ2017年度に実施する。

 公的医療保険からの高額療養費の支給額は13年度で約2兆2千億円と、10年間で約1・6倍に増加。膨らみ続ける医療費を抑制するのが狙いで、委員からは負担増を容認する発言が多数を占めた。

 自己負担の上限額が現役世代より70歳以上が低いなどと厚労省が説明。負担増の検討を求めた。
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 株長者や土地持ちなど富裕層の金持ち高齢者から取ればいい。大半の高齢者は年金暮らしだ。介護保険だ、所得税だといろいろ引かれて、手取りの年金が200万円に届かない人がほとんどである。

 そこからまた、カネをむしり取ろうというのか?「委員からは負担増を容認する発言が多数」とあるが、役人が選ぶ委員は全員、役所の思惑に沿った者ばかりだ。

 厚労省が「引き上げ」と言って反対する者はいない。すべてが筋書き通りに進むことになっている。「審議や検討」は、単なる“儀式”に過ぎない。

 「上限額が現役世代より低い」―。これも当たり前だ。歳を取ればとるほど働き先がなく、働いていない。したがって収入がない。方や現役は収入があるのだから当然ではないか。やがて彼らも歳を取る。その時になれば、分かるはずだ。

 大戦後、日本は「奇跡の復興を遂げた」と世界が絶賛した。国民一人一人がそれこそ、死に物狂いで働いてきた。欧米先進国に「追いつけ、追い越せ」と、猛烈社員となって家庭も顧みず、気が狂ったように頑張ってきた。

 「企業戦士」という言葉まで生まれた。今日の礎を築いたのは70代以上の高齢者だ。散々、税金を払い、国に奉仕してきた。それが、今になって悪者扱いをされる。「もっとカネを出せ。なければ身ぐるみ脱いで置いていけ」と官僚が脅す。

 ふざけたことを言うな、ってんだ。黙ってりゃあいい気になって。もう黙っちゃあおれねえ。おう、テメエたち。一体誰のおかげで東大を無事に卒業できたと思ってんだ?

 国立大学のカネはみんなおれたちが納めた税金だ。そのおかげで、テメエたちは楽して、官僚になったんじゃねえか。間抜けなことをいやがると、承知しねえぞ!

 落語の名作、「大工調べ」に登場す江戸っ子の棟梁、政五郎ならきっと、こうタンカを切ったに違いない。

 オメエさん方も、黙ってねえで、ハッキリ言ってやんな。「なめた真似すんじゃねえ」って。

浅草で封印された「禁演落語」を聴く会

2016-09-28 11:15:16 | 落語
 落語の名作「明鳥」は、堅ブツの若旦那が吉原で“男”になるチョイト粋な噺。あたしの持ちネタの一つだ。そんな艶笑噺や酒が登場する落語は「けしからん」と、戦時下ではご法度だった。

 「明鳥」をはじめ三枚起請、•居残り佐平次、宮戸川、蛙茶番、付き馬など53席を「禁演落語」として封印した。いずれも古典落語の名作で、これが聞けないと知った当時の落語愛好家は「落語が死んだ」と嘆いたという。

 噺家たちは1941年10月、東京・浅草の本法寺に「はなし塚」を建立し、53席を葬った。戦争が終わり、以前のように「明鳥」を自由に高座にかけることが出来るようになった。

 そして46年9月30日、落語家たちが「禁演落語」の復活祭を開いた。今年はその復活祭から70年。今年も「二度とあんなことのないように」との願いを込めて、落語芸術協会(桂歌丸会長)が中心になって30日に落語会を開く。

 禁演落語を披露するのはいつもの桂文治のほか、祖父がはなし塚の建立に関わった林家正蔵が出演。春風亭昇也、林家まめ平、林家たま平も出演する。

 「涙や怒りはあっても笑いがない、それが戦争だ」と桂歌丸が言った言葉を思い出した。

 開演は午後6時30分。木戸銭は当日3500円(前売り3千円)。予約・問い合わせは事務局(050・3497・5500)。

落語「愛宕山」を地で行く安倍晋三

2016-09-20 17:38:34 | 落語
 落語の「愛宕山」に、道楽に飽きたご大家の旦那が、「何かお面白い遊びはないか」と芸者や幇間(太鼓持ち)の一八らを引き連れて、崖の上から谷底の的をめがけて次々と小判を投げ込むという場面がある。安倍首相を見ていてふと、思い出した。

 国連で安倍晋三は、難民支援として約28億ドル(約2850億円)を拠出すると表明した。彼は国連に限らず、海外に行くたびに気前よく1000億、1兆円単位でポンポンと気軽にカネをばらまく。

 それなのに国内では「財源がない」と言って社会保障費を次々カット。年金を引き下げ、介護職員の給料を世間並みに引き上げることを渋る。

 働く若者10人のうち4人がその日暮らしの非正規だ。年収200万円以下が1000万人を超えている。子供の6人に1人が貧困家庭で、三度の食事もままならない。

 こうした”国内難民”になぜ手を差し伸べないのか?

 行く先々で派手に札びらを切れば、相手は喜び、歓待するだろう。ちやほやされたら誰だって気分が言いにきまっている。
  
 だが、そんな安倍晋三個人が快感に浸るために、私たちは税金を納めているのではない。海外でやれる”善意”がどうして国内で出来ないのか? 合点がいかない。説明してもらいたい。

 不思議なのは日本のマスコミ。なぜ、この点を問いたださないのか?

タダで一日たっぷり楽しめる芸協らくごまつり!!

2016-09-19 19:54:33 | 落語
 落語芸術協会(桂歌丸会長)のファン感謝デー、「第10回芸協らくごまつり」が25日(日)に新宿区西新宿・芸能花伝舎で開催する。落語協会の謝楽祭をはるかにしのぐ年に一度の落語界最大のイベントだ。

 午前10から午後4時まで。木戸銭は無料(ホール寄席のみ有料)。人気噺家と目の間で直接、話ができるというので落語ファンばかりでなくたくさんの人が押し寄せる。

 会場は旧淀橋第三小学校なので広場には、焼きそばやおでん、人気噺家のグッズなどたくさんの屋台が出る。ビールなども販売。

 橘流寄席文字一門による「寄席文字教室」や、 太鼓や三味線による出囃子の「鳴り物教室」、「紙切り教室」さらには「前座体験教室」などもある。

 変わったところでは現在、日本でただ一人と言われる江戸の売り声、宮田章司による「売り声教室」も開かれる。江戸時代は、水は貴重で、「水屋」という商売があった。さて、どんな売り声で売って歩いたか? 本物の声を聞くのも楽しい。

 このほか、各大学の落研学生の落語対抗戦も行われる。芸協所属の噺家やナイツら芸人が総出演で盛り上げるまつりだ。タダで一日たっぷり楽しめる。

詳報はここをクリック
http://www.geikyo-rakugo-matsuri.com/

泥田でダイアモンドを見つけた気分!!

2016-09-19 01:36:07 | 落語
 本職の落語は客が聴きたい噺家にカネを払って聴きに行く。ところが、素人の落語会は聞きたいと思っていない人に来てもらうわけだから、客集めは本職以上に大変だ。

 だから、交通費を払って来てくれる客に「つまらない」と思われたらオシマイ。次は絶対来ない。あたしが出演者の人選にこだわるのはこの点である。おかげさまで、あたしが主催する落語会は「次はいつやるの?」と声がかかる。ありがたいことだ。

 17日の初の独演会は当初の不安を吹き飛ばす盛況ぶりだった。ゲストが良かったためだ。22歳の現役女子大生。今年4月の落語会に出てもらい、大好評を博した。だからゲスト選びに苦労しなかった。

 とにかく落語が楽しい。明るい。面白い。こんな子はめったにいない。いろんな大学の落研(落語研究会)の学生落語家の話を聴いたことがあるが、どこか玄人、クロウトした“臭い”ところがある。

 だが、彼女にはそんな嫌なところが微塵もない。笑いを取ろうと、やたら「くすぐり」を入れるようなこともない。あたしが開口一番に江戸っ子の祭りの噺「百川」をかけた。

 そのあとでゲストの彼女が登壇。子供が父親から小遣いをかすめ取る「真田小僧」を披露した。あたしがこれまで聴いた誰よりも面白かった。アレンジメントが実にいい。これほど愉快な「真田小僧」をやれる本職はいないだろう。

 続いてあたしが「千両みかん」で高座に上がった。みかん一つが千両と言うとてつもない噺だ。15分の中入りの後、再び学生が「初天神」をやった。これも子供が登場する噺。客席から随所で笑いが起きた。

最後はあたしの「明烏」で締めた。堅物の若旦那が吉原でめでたく“男になる”という艶笑噺である。

「百川」「千両みかん」「明烏」ともに寄席では「トリネタ」と言われる大ネタである。番組表を見た席亭は、「大ネタを三席も並べて、果たしてやれるのか」と最初、不安に思った、と後で話してくれた。


 三席無事に終えた後、緊張がほぐれてぐったりした。「今日の出来は良かった」と席亭が珍しく誉めてくれた。それよりなにより嬉しかったのは、常連客はもとより、この夜初めて来た客が口をそろえて「いい落語会だった」「楽しかった」と言ってくれたことだ。

 おほめの言葉の大半はゲストのおかげだと思っている。別のゲストとやっていたらこうはいかない。あたしにとって彼女は貴重な「宝物」である。泥田でダイアモンドを見つけた気分だ。

 終演後の席亭を交えた3人での反省会(飲み会)で、彼女に「就職してからも、あなたの都合に合わせて落語会を開くから」と言ったら、笑っていた。