▼閉じた入り戸に張り紙
柳家小三治・入船亭扇橋二人会があるというので東京・池袋まで出張った。私としては珍しく早く、開演1時間前に着いた。ところが、会場の入り口には張り紙が1枚。「整理券が定員に達したため、あしからず」だと。入り戸は閉じたまま。何だいこりゃあ?券を配るなんて―話は、事前にひと言もなかった。
ウチからバス、地下鉄、JRを乗り継いで2時間近くかけて行って、この有様だ。朝からがっかりである。私は落語芸術協会(桂歌丸会長)の師匠連に習ったため、どちらかというと、落語協会(柳家小三治会長)より芸協の噺家の落語を聴く機会が多い。
▼人気に胡坐ではダメ
小三治の噺は、CDで聴いたことはあるがナマはない。「小三治は上手い」という声をよく聞く。いい機会だと思って、早起きしてやって来たのだが、早々に締め出しを食った。整理券を配るのだったら事前のお知らせで、一言触れて欲しかった。会場に行ったら「ハイ、おしまい」では情けない。
この日の落語を楽しみに次々やって来た落語ファンは、「もうダメなの?」「どうして?」と不満を口にしていた。会場の入り口の前では、落語協会の若手が「入れません」と機会的に客に応答。人気に胡坐をかいて、ファンをないがしろにしてはいけませんぞ。
▼落語仲間の演劇応援
私は、小三治はそれほど上手いとは思わない。本題に入る前のマクラがやたら長い。ネタと何の関係もない話をだらだら続けられると、ソバがのびたようで間延びする。加えてあの無愛想な語り口。小三治の追っかけは、「あれがいい」という。私にはわからない。だから、ナマで聴きたかった。確かめてみたかった。
近くの喫茶店でコーヒーを飲み、気分を切り替えて、池袋から下北沢へ移った。演劇をやっている落語仲間が、舞台に出るというので公演を観に行った。劇中劇で落語を一席うかがっていた。なかなか堂に入っており、14、5人いた出演者の中で、演技も彼女が一番光っていた。
▼高座にぴったりのサイズ
われわれ文七迷人会のメンバーは、日替わりで劇場に駆けつけ彼女を応援。私なんぞは落語を覚えるだけで精一杯なのに、仕事をしながら芝居の稽古や、落語を見事にこなしている。若さの後押しがあったとしても立派なものである。
下北沢といえば若者の街。初めて下車した駅だが、なるほど、どこを歩いても若者でいっぱい。細い路地裏には古着屋が軒を連ね、本多劇場をはじめ演劇小屋がいくつもある。
午後2時の開演までチョイト、時間があったので店を冷かしていた。小さなブティックで、色鮮やかな赤い布を見つけた。全部広げて見せてくれ、とレジの女の子に頼んだ。思っていた通り、落語の高座にぴったりのサイズである。これを広げて、その上に座布団・・・。「買った」。お古ではなく、新品である。
柳家小三治・入船亭扇橋二人会があるというので東京・池袋まで出張った。私としては珍しく早く、開演1時間前に着いた。ところが、会場の入り口には張り紙が1枚。「整理券が定員に達したため、あしからず」だと。入り戸は閉じたまま。何だいこりゃあ?券を配るなんて―話は、事前にひと言もなかった。
ウチからバス、地下鉄、JRを乗り継いで2時間近くかけて行って、この有様だ。朝からがっかりである。私は落語芸術協会(桂歌丸会長)の師匠連に習ったため、どちらかというと、落語協会(柳家小三治会長)より芸協の噺家の落語を聴く機会が多い。
▼人気に胡坐ではダメ
小三治の噺は、CDで聴いたことはあるがナマはない。「小三治は上手い」という声をよく聞く。いい機会だと思って、早起きしてやって来たのだが、早々に締め出しを食った。整理券を配るのだったら事前のお知らせで、一言触れて欲しかった。会場に行ったら「ハイ、おしまい」では情けない。
この日の落語を楽しみに次々やって来た落語ファンは、「もうダメなの?」「どうして?」と不満を口にしていた。会場の入り口の前では、落語協会の若手が「入れません」と機会的に客に応答。人気に胡坐をかいて、ファンをないがしろにしてはいけませんぞ。
▼落語仲間の演劇応援
私は、小三治はそれほど上手いとは思わない。本題に入る前のマクラがやたら長い。ネタと何の関係もない話をだらだら続けられると、ソバがのびたようで間延びする。加えてあの無愛想な語り口。小三治の追っかけは、「あれがいい」という。私にはわからない。だから、ナマで聴きたかった。確かめてみたかった。
近くの喫茶店でコーヒーを飲み、気分を切り替えて、池袋から下北沢へ移った。演劇をやっている落語仲間が、舞台に出るというので公演を観に行った。劇中劇で落語を一席うかがっていた。なかなか堂に入っており、14、5人いた出演者の中で、演技も彼女が一番光っていた。
▼高座にぴったりのサイズ
われわれ文七迷人会のメンバーは、日替わりで劇場に駆けつけ彼女を応援。私なんぞは落語を覚えるだけで精一杯なのに、仕事をしながら芝居の稽古や、落語を見事にこなしている。若さの後押しがあったとしても立派なものである。
下北沢といえば若者の街。初めて下車した駅だが、なるほど、どこを歩いても若者でいっぱい。細い路地裏には古着屋が軒を連ね、本多劇場をはじめ演劇小屋がいくつもある。
午後2時の開演までチョイト、時間があったので店を冷かしていた。小さなブティックで、色鮮やかな赤い布を見つけた。全部広げて見せてくれ、とレジの女の子に頼んだ。思っていた通り、落語の高座にぴったりのサイズである。これを広げて、その上に座布団・・・。「買った」。お古ではなく、新品である。