扇子と手拭い

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いま一番の人気者、「チケットが取れない男」が真打に!

2018-12-28 22:29:57 | 落語
 とにかく面白い。客を捕まえて放さない。こんな講談、初めて聞いた、とみんなっそう思う。

 いま、一番の人気者、「チケットが取れない男」と言われる松之丞が真打になる。

 しかも先輩9人を追い抜いてのスピード出世である。

 目出度いことだ。私は初めて聴いた瞬間から彼のファンになった。

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 講談師・神田松之丞(35)の真打ち昇進が28日、決まった。所属する落語芸術協会(三遊亭小遊三会長代行)が都内で理事会を開き、2020年2月中席に松之丞の真打ち昇進を承認した。

 松之丞は同協会二ツ目11人で結成したユニット「成金」で人気を博した。テレビやラジオにも出演する一方、「チケットの最も取れない講談師」の異名をとっていた。数年前から席亭の推薦での真打ち昇進が協議されていた。

 今回の昇進では、香盤では9人の落語家を抜く形。小遊三副会長は「(松之丞の昇進は)なるべく早くというのがあった。ちょっと遅くなったかなと思うくらい」と説明。

 昨年7月に亡くなった桂歌丸会長は、抜てき真打ちに否定的だったが、関係者によると、松之丞の実力を認め、講談師と落語家は別物として、早期の昇進を認めていたという。 (以上 スポーツ報知)

歯科医の院長に頼まれて出前寄席に行った!

2018-12-23 07:18:58 | 落語
 歯科医の院長に頼まれて出前寄席に行った。日本の歯医者の数はコンビニよりも多い。わが家の周りにも徒歩7分以内に4軒もある。ところがいい医者となると、これがなかなか難しい。

 新参者の私は老舗のお茶屋さんに事情を話し、紹介してもらうことにした。「歯が悪くて近くの歯医者に行ったがどこも今一つ」と言ったところ、教えてくれたのが冒頭の院長だ。

 人柄のいい先生で初めて会った途端、意気投合。ボランティアで落語の出前寄席をやっていると言うと、トントン拍子で話が進み、頼まれて出前に行くことになった。

 22日午後はあいにくの小雨模様だったが、デーサービスの事務長が車で迎えに来てくれた。この人がまた「万能選手」で、何でもできる。落語のポスターから高さ約1メートルの落語の高座、果ては本物そっくりの「めくり」の台まで自分で作ってしまった。

 「めくり」とは、桂歌丸や古今亭志ん朝などと噺家の名前を書いた長い紙のことで、これと出囃子は落語に欠かせない。演者には、なくても何の不都合もない。

 が、客は「トンテン、チンチン、シャン」と太鼓、三味線、カネ、太鼓の出囃子がかかり、めくりがあると寄席に来た気分に浸る。そんな塩梅でこの2つは”必需品”なのである。

 あたしの前にダンナがたっぷりとカラオケを披露。たった一人で30分、歌い続けるのは容易なことではないが、この方は三度の飯より唄が大好きだそうで唄い切った。ステージ衣装を身にまとっていい声を披露。さすが好きなだけに唄がうまい。

 陽気に盛り上がった後をあたしが引き受けた。午後2時、ピッタリの開演。こちらでは、お初のお披露目だったが、みなさん喜んでくださった。

 客の中に落語にご通過なおばちゃんがいて、落語「時そば」を披露していると、隣の人に「次は箸が割ってあるの」と解説。

 先にネタをばらされて弱ったが、これが素人落語のいいところ。いろいろあるから面白い。

みんなが熊さん、はっつあんなら、きっと楽しいだろう!

2018-12-19 15:33:43 | 落語
 きょう(19日)はディーサービスセンターに出前寄席。曜日によってセンターを訪れる人が別だそうだが、落語が好きな人はほぼ欠かさず顔を見せてくれる。

 常連の耳が遠いダンナ。大きな声で話しても毎度、「聞こえない」と言うので最前列に来てもらった。マイクも使っている。

 それでも落語をしゃべりだしたら「聞こえない」とダンナ。客席からドッと笑い声が上がった。これ以上声を張り上げたらマイクがつぶれる。それほど大声を出しているからだ。

 話を中断して職員に頼んで、ダンナを高座の真下まで移動してもらった。あたしの目の下にいる。「聞こえますか?」とあたし。「うん」とダンナがうなずいた。

 どこまで話したか分からなくなった。脇に置いてあるお茶をぐっと飲み、気を静めた。「さっきのところ、もう一度やりますよ」と言って、あったかいソバを食べる仕草をした。つられて前にいたおばあちゃんが口をモグモグ。

 こんな塩梅で、一席目はこの時期にピッタリの冬の落語、「時そば」を披露した。高座から立ち上がる時、まだ完治していない右足のアキレス腱に痛みが走った。それでも笑顔で高座を務めねばならないのが“落語家”のつらいところだ。

 約1分の休憩の後、再び出囃子に促されて高座に上った。先ほどの滑稽噺から一転、今度はチョイと粋な、吉原が舞台の廓噺でご機嫌をうかがった。古今亭志ん朝師匠がお得意の「お見立て」である。

 この施設には毎回、大学生が社会研修に来ている。2人の学生が後ろの席で熱心に聴いてくれた。終わったところで感想を聞くと、「落語をナマで聴くのは初めて」「落語ってすごいですね。楽しかった」と言ってくれた。

 二席続けて演じると、さすがにくたびれるが、それを癒してくれるのが客の笑い声。顔なじみの職員がいつものように車で送り迎えをしてくれた。

 あの学生たちが落語を好きになってくれるとありがたい。落語は楽しいよ。嫌なことはみんな忘れる。

 世の中の人が、落語の長屋に出て来るような、熊さん、はっつあん、大家さんなら、どれだけ楽しいことだろう。

とにかくクサクテたまらない、と粋なダンナ!

2018-12-16 23:24:37 | 落語
 8月31日以来、約3カ月半ぶりに高座に上がって正座した。9月以降も、何度も出前寄席はやっているが、右足のアキレスけんを痛めて正座することが出来ないので立ったまま落語を披露した。

 立川談志が一時、立って落語をやったそうだが、それ以外はあまり聞いたことがない。ただ、落語仲間が現在、最年長の桂米丸師匠も若いころ、スーツ姿でやったと言った。新作落語だから違和感がなかったのだろう。

 しかし、あたしの場合は江戸落語だから、立ったままではチョイとオカシイ。けど、足が故障していてはどうにもならないので、客に断ってやらせてもらった。

 ご贔屓さまは有難いもので、どなたも「違和感はなかった」「普段と変わらなかったよ。楽しかった」と言ってくださった。でも、やっぱり演じる方としては気がひけた。

 そんなわけで16日、恐る恐る挑戦した高座はまだ多少、痛みはあるものの、何とか二席とも正座して、最後までやり切れたので自信が付いた。

 この日の東京地方の最高気温は5・8度。その上、小雨がぱらついていたので「この寒さでは客は来ないだろう」とあきらめていた。

 ところが有難いことに、開演直前になって日が差し出した。おかげで出足もよく、客の入りは上々だった。「時そば」や「カラオケ病院」と言う演目がよかったのか小さな子供さん連れが多かった。

 「この子は落語が大好きなんです」と父親。小学校の低学年らしき男の子。私が習った、桂歌丸師匠が会長を務めた芸協の落語塾を紹介したら、習いに行かせたいと話していた。

 この日は2人でほかに「お見立て」と「大仏餅」を披露した。

 しきりにシャッターを押していた粋なダンナが終演後に、「私は素人落語が好きでない。なぜかというとクサクテ仕方がないからです」と言った。

 この意味がよくわかる。特にオチケン(大学の落語サークル)でやっていた者にクサイのが多い。自分は他と違って上手いんだと自信満々。私もこういうのは鼻について嫌いだ。

 上手下手、面白いか、そうでないかは自分で決めるのではなく、客が判断するものだ。うぬぼれが高いのはクサくていけない。

 ダンナが続けた。「でも、みなさん方は違った。いやー、きょうは楽しかった」と言って、文楽から志ん生まで話が飛んだ。落語に詳しいお方で常連客になってくれそうだった。

笑三師匠が肺炎のため死去 多彩な才能で魅了!

2018-12-16 21:28:07 | 落語
 落語家・三笑亭笑三(本名:斧田道男=おのだ・みちお)さんが、10月24日に肺炎のため死去した。93歳だった。なお、葬儀は近親者のみで密葬にて執り行われた。

 役員として長く落語芸術協会の運営に尽力した師匠は、平成28年まで8月下席の浅草演芸ホールで大喜利の司会を努め、若手への愛のあるツッコミは客席、楽屋でも話題をさらった。

 大喜利は師匠の意志を継ぎ今も8月下席でおこなわれており、次の世代にバトンが繋がっている。

 その浅草演芸ホールではプログラムの表紙絵を担当。年賀状などの手紙にも自身のイラストを必ず描くなど、まめで絵のセンスもあった。

 特技の8ミリ・16ミリカメラによる映画製作においては、その腕前はプロ級。プロダクションを立ち上げて作品を残されるなど、多彩な才能で多くの人を魅了した。初代林家三平の台本作家としても活躍した。

 おはこの演目は「安全地帯」「異母兄妹」「大師の杵」「悋気の独楽」など。多くの新作落語も生み出した。

 寄席としては昨年1月6日の国立演芸場が最後の高座となった(演目「消費税」)昭和39年芸術祭奨励賞。
(以上 共同通信)