建築において様々な機能を持つ
要素である「軒」。
※外観イメージプラン提案時のCG
軒の意味や構造、
そのメリットとデメリットを知る事で
家の計画や間取りも
考え方も大きく変わります。
※工事中の現場外観軒のある家の様子
そして注文住宅における
暮らしの心地も。
※工事中の現場外観・水平の深い軒のある家の様子
注文住宅を考えている方々にとって、
理想の住まいづくりにおいて
軒が果たす役割を
深く理解していただく一助となれば幸いです。
※工事中の現場外観・水平の深い軒のある家の様子
軒とは何なのか?。
住宅建築において軒は、
単なる屋根の一部ではなく、
建物のデザインや機能性に
大きく影響を与えます。
※工事中の現場外観・水平の深い軒裏が通り土間の天井を兼用し
半屋外空間の自由空間となるように提案
その代表的な種類に
焦点を当ててみます。
軒先。
軒先は建物の外観に
大きく寄与する部分です。
その長さや形状によって、
建物の印象ががらりと変わります。
長い軒先は優雅で上品な印象を与え、
短い軒先は
スッキリとした外観を演出します。
デザイン段階での検討が肝要です。
軒下。
軒下は出入り口や玄関周りを覆う領域で、
雨や日差しから建物を守ります。
※設計デザイン時の外観提案CG
※工事完成後の実際の外観
※LDKから繋がるウッドデッキはあえて深く計画した軒下の効能で
プランワンのリビング空間に(ハンモック設置空間)
※LDKから繋がるウッドデッキはあえて深く計画した軒下の効能で
プランワンのリビング空間に(ハンモック設置空間)
機能的でありながらも、
そのデザインは
建物の印象を大きく左右します。
※設計デザイン時の外観提案CG
軒下には照明や植栽、
アウトドアリビングのような家具や
アウトドアギアを配置することで、
暮らしの更なる魅力を
引き立てることができます。
※工事完成後の実際の外観
※通り土間空間軒裏に設けた照明が格子を透かして
夜の佇まいを整えつつ防犯対策にも
軒天。
軒天は軒先の裏側で、
通気や断熱効果に寄与します。
設計段階で
素材や構造に工夫を凝らし、
居住空間を
より快適にする要素となります。
※囲み込まない屋根軒利用の半ビルトインガレージと
通り土間のある格子空間
また、
軒天を活用して
室内からのロフトスペースを造るなど、
プランによっては
創造的な使い方も可能です。
※玄関ポーチを通り奥まで移動できる幅と奥行きのある通り土間に
軒下・軒裏による囲まれた半屋外空間提案
軒のメリット。
軒は意匠性を高める軒のデザインは
建物全体の印象を左右します。
※ガレージから雨に濡れる事なく玄関ポーチへたどり着く動線に
屋根と軒裏の効能
複雑な形状や
長さの異なる軒を取り入れること
特徴的な使い勝手を設計する事で
建物の個性を
引き立てることができます。
※間取り設計でビルトインガレージとは分離して動線計画として
通り土間を自転車保管スペースに
建築デザインにおいて、
軒は重要なアクセントとなります。
※数寄屋の家外観イメージ提案CG
※工事完成後の実際の外観
※軒が重なる事で和の粋を表現した外観
※風情を味わう暮らしの風景としての屋根軒裏の設計事例
※夜には室内の灯りか漏れて軒裏の陰影と
石張りテラスの風情を味わう風景のある暮らし
軒。
雨漏りを防ぐという事。
軒下があることで
雨水が建物の外壁や玄関に
直接当たることを防ぎます。
これにより、
外壁の劣化や雨漏りのリスクを低減させ、
建物を長持ちさせることができます。
軒は雨の吹き込みを防止できる。
軒下があることで、
強風や悪天候時に
雨水が室内に吹き込むのを防ぎます。
特に出入り口や窓周りにおいて、
軒の役割は大きく、
快適な居住空間を実現する
重要な要素。
家の外壁を保護する。
軒があることで
外壁が直接雨に晒されず、
外壁の劣化を防ぐことができます。
外壁の保護は
建物全体の耐久性を向上させ、
メンテナンスコストを削減します。
軒は外部からの視線を遮る。
軒があることで、
外からの視線を遮る役割も果たします。
プライバシーを確保しつつ、
開放感のある
住空間を実現できます。
軒は夏の日差しを遮る。
日本の夏は強烈な日差しと
高温が特徴ですが、
軒があることで
室内に直射日光が
差し込みにくくなります。
これにより、
冷房効果を高めつつ
エネルギー効率を
向上させることができます。
軒は外部縁側のような軒下空間が生まれる。
軒下には余白空間を
設けることができます。
外部の余白空間は
自然との調和を感じさせ、
リラックスした環境を生み出します。
季節ごとの風物詩や
景色を楽しむ場として、
家族や友人と過ごす場としての
軒下は魅力的です。
軒のデメリット。
軒は好みの外観にならない
というケースもある。
軒のデザインは
好みが分かれる要素であり、
設計や施工によっては
理想とする外観にならないことがあります。
建築の際には、
意味を考えながら打ち合わせを行い、
自身のくらしにとって
どうなのか?
家の雰囲気はどうなのか?
納得のうえで
軒のデザインを選ぶことが重要です。
軒は建築費用が必要。
軒のデザインや構造によっては、
建築費用が
増加する傾向があります。
特に特殊な形状や
素材を使用する場合は、
追加のコストが発生する可能性があります。
予算内で
理想の軒を実現するためには、
プランニング段階から
選択肢を吟味する事が必要です。
法律上の建築面積に
含まれるケースがある。
軒の広さや形状によっては、
建築面積に含まれるため、
法律上の建築可能な面積に
空間が制約されることがあります。
特に敷地が狭い場合や
建物の高さに制限がある場合は、
注意が必要です。
建物全体のプランを考慮しながら、
バランスを取ることが
必要となります。
軒は風の影響を受ける。
特に大きな軒の場合、
風の影響を受けやすくなります。
強風や台風の際には、
軒が風圧を受けて
揺れることがあります。
この影響を軽減するためには、
適切な構造や補強が必要です。
このように、
軒の形状や素材を工夫することで、
個性的で魅力的な
住宅が生まれます。
建築の際には、
理想の軒を実現するために
専門家との協力が重要です。
注文住宅の軒の出の
長さを決めるときのポイントは?。
軒の出の長さは、
建物のデザインや機能性に
大きな影響を与えます。
適切な軒の出の長さを決める際には、
以下のポイントを
考慮すると良いです。
外観デザイン。
建物全体のデザインに合わせて
調整することが重要です。
気候条件。
地域の気候によっても
軒の出の長さは変わります。
雨量の多い地域では
長い軒が有効ですが、
風の強い地域では
構造や補強に気を付ける必要があります。
機能性。
軒の下での利用を考えると、
出入り口周りや
庭など特定のエリアでの
機能性を高めるために
軒を設けることがあります。
その際には、
その機能に合わせて
軒の出の長さを決定します。
「軒」に焦点を当て、
その意味や構造、
メリットとデメリットを考えるだけでも
暮らしの趣が変化します。
軒は単なる建築部材にとどまらず、
建物の外観や機能性に
良い意味で
大きな影響を与える要素となります。
軒の深い空間を
どのような価値観で考えますか?。
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建築家 山口哲央
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
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