人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

いよいよ深刻化

2006-06-03 16:30:27 | Weblog
 合計特殊出生率が1.25パーセントと深刻さを増す中で、今度は65歳以上
の高齢者の全人口に占める割合が20パーセントを超えたと報じられていた。
いよいよ少子高齢化の問題は深刻さを増してきたようだ。その上、自殺者
が毎年三万人を越えているという。その内、経済的理由や生活苦のために
自殺している人が四分の一もいると言うから驚きだ。豊かだと言われて
いるこの国で、いったいどんな変化が起きているのだろうか。

 結婚したくない人、結婚したくても出来ない人、理由は色々あるのだろ
うが、結婚しても夢や希望が持てないと言うのも現実の姿ではないだろうか。
結婚しても苦労するくらいなら独身のままの方が気楽で良いと言う人も
多いだろう。
 結婚しても共稼ぎでは子育てが出来ないとか、妻が出産のため会社を
辞めたら食べていけないとか、若い世代には若い世代なりの悩みが多い。
昔の夫婦のように「愛する人とならば手鍋を下げも苦楽を共にしたい」と
いう考えは、今の若者には通用しない。そこそこ生活を楽しみながら子育て
をしたい、子育てのために自分たちの生活を犠牲にしたくないと言うのが
若い人達のライフスタイルではないだろうか。

 今や少子化に歯止めをかけるためであれば「少しくらい我慢をしなさい」
と言う説得は通用しない。もし、戦前のように生めよ増やせよと言うので
あれば、それなりの施策が必要であろう。しかし、政府は口では「何とか
しなければ」と言いながら、現実には何もやっていないに等しい。
 頼るべき政府は、社会保障の改悪こそしても、若い世代の夢が持てる
ような政策は何もない。果たしてこれで豊かな国だと言えるのだろうか。

 また、金持ちも貧乏人も、いずれはこれからの世代に何らかの形でお世話
にならなければならない。よもや世話など要らぬと言い切れる人はいない
だろう。こればかりは、お金を積めさえすれば済むというものではない。
気持ちよく看護して貰おうと思えば、心の通い合った社会を作ることが
必要だ。
 お金持を持っている人は税の支払いを通じて社会に還元する。これが
仏教で言う布施の心だ。その金は必ず何らかの形で戻ってくるはずである。
若い世代が子育てで悩んでいるときには優しく援助の手をさしのべる。
お金で解決できることであればお金を提供することで社会を豊かにし、
若い世代が安心して子育てが出来るようにするのが勤めではないだろうか。
幾ら持っていても墓場まで持っていけるものではない。政府は均等に等と
言わずに持っている人達から税を徴収すべきではないだろうか。

 年金、医療、子育て支援、就職支援、労働条件の向上等、緊急に手を
打つべき事は山ほどある。夫婦二人が残業続きではきちんとした子育てを
せよという方が無理な話である。
 しかし、残業をしなければ食べていけないと言うのも今の社会である。
その限りに於いては労働組合ももっとしっかりしなければならない。連合
もラジオで組織作りを呼びかけるだけでなく、直接現場に出向いて実状を
調査し、組織作りや労働相談に乗ることが必要だ。

 ともあれ、格差社会を助長してきたのは政府と自民党だ。阿部官房長官
は落ちこぼれ組にも再チャレンジのチャンスを作り、ダイナミックな躍動
感ある社会を作ることが格差社会の是正に繋がると言っている。しかし、
落ちこぼれにもなれなかった若者が多い現代社会に於いて、そんな絵空事
が通用するとでも思っているのだろうか。
 また今必要なのは、そんなダイナミックな社会ではなく、安心して暮ら
していける、そして、子育てが出来る安定した社会なのではないだろうか。
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ジャワ島中部地震

2006-06-02 21:56:01 | Weblog
 今年初めての収穫期がやってきた。厳しい冬を耐え抜いて大きくなった
タマネギの収穫が終わった。二日がかりの収穫だった。と言うのもタマネギ
は抜いてすぐ収穫すると湿った土が着いたままで腐りやすいからだ。従って、
丸一日ぐらい抜いた畑で日干しにしておいた方が良い。前の日の早朝に
抜いておいたものを束ねて軒先に吊した。
 こうして芽が出るまでの約一年間(実は一年間は無理なのだが)貯えて
おくことになる。今年の冬は寒さが厳しかったせいか近所の畑の出来は良く
ないようだ。それに較べて我が家の出来は、まあまあと言ったところで
あろうか。果樹の陰で日当たりが良くない場所だったので、防虫ネットを
霜よけ代わりに一冬中かけておいた。これが良かったのだろうか。春先に
なってぐんぐん成長し、ほどほどの大きさになったようだ。

 今、枇杷の色付きが始まった。カラスがかあかあと鳴いて騒いでいる。
ヒヨも甲高い鳴き声をたてて近くまで来ている。みんな枇杷の熟れるのを
待っているのだ。
 今年もカラスに横取りされないように早々にネットを張ってカラス対策
をした。それでもめざとい鴉は熟れ始めの何個かをつついていた。彼らの
方が熟期をよく知っている。
 枇杷に少し遅れてアンズ、そしてスモモ、ヤマモモと収穫期が、次々に
やってくる。今年はことのほかチョッキリゾウムシやカメムシの被害が
大きかった。今もカメムシの被害が続いている。既に大半のモモやナシや
リンゴがやられてしまった。今年こそ大収穫だと喜んでいた梅も半分以上
はカメムシやチョッキリゾウムシの被害にあって、傷口から腐りどんどん
落ちている。
 このように今年こそはと思っていても意外に口に入るものは数少ない。
これが自然を相手というものだろう。良い年もあれば悪い年もある。

 さて、インドネシアではスマトラ島の大津波による傷跡が癒えぬまま、
今度は隣のジャワ島で大きな地震が起きた。震度としては阪神淡路大震災
の30分の1位だとの事だが多くの被災者が出ている。大半は建物の下敷
きになった人のようだ。
 今、この地域一帯では何が起きているのだろうか。被災地近くの火山活動
も活発化しているという。地図を広げてみると、この当たりの地形は日本
列島と非常に良く似ている。スマトラ島、その南に続くジャワ島は大きく
弓なりになって連なっている。インド洋側からの大きな力で押されている
からだ。地下深く潜り込んでいくインド洋側からのプレートがスマトラ島
やジャワ島の乗っているプレートの下へと潜り込んでいく。
 プレートとプレートの間には大きな摩擦力が働き、ひずみが蓄積していく。
このエネルギーは膨大なもので、大きなひずみは時に開放され大きな地震
となり、摩擦によって生ずる熱は活発な火山活動を引き起こす。

 これら一連の大地震や津波被害は対岸の火事ではない。同じ事が日本列島
の地下深くでも起きているからだ。いつ起きても不思議ではないと言われて
いる東海大地震、東南海大地震、南海大地震。これら大きな地震が連動して
起きる可能性も懸念されている。現に幾度か連動して発生したことのある
地震なのだ。
 今回のジャワ島の地震被害を見ていると耐震建築以前の建物が少なくない。
レンガを建築材料にした建物が非常に多い。経済的な事情から仕方がない
ことなのだろうが、これでは繰り返し犠牲者を出してしまうことになりかね
ない。
 先の阪神淡路大震災の時にも被災した一般住居の多くは、終戦後の建築
材料が少ない頃に建てられたようなものが多かった。意外に多かったのが
シロアリによる被害だった。
 一方、真新しい近代的な超高層ビルには何の被害も見られなかった。
新しい建築基準法で建てられたものと、そうでないものとの差は歴然と
していた。
 地震地帯に住んでいるものにとって被害は避けられない。しかし、被害
を最小限にくい止めることは可能だ。そのためには日頃からの訓練と心構え、
そして耐震建築などの具体的な対策が必要だ。

 ジャワ島の被災者と被災家族の皆さんには、心からのご冥福とお見舞い
を申し上げる。一日も早い復興を願っている。
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