人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

最悪のシナリオ

2007-10-08 07:13:08 | Weblog
 昨日の朝日新聞の一面にインドネシアでの泥炭層が燃え続けている
という記事が写真入りで掲載されていました。この泥炭層が燃えると
いう不思議な現象は、今回の記事が掲載される十数年前から報道されて
いました。覚えているという方がおられるでしょうか。

何もしないのに密林だったところが燃えるはずがないのです。熱帯雨林
は乾期はともかく、雨季になると連日のようにスコールが来ます。その
雨の量は土砂降りで、並の量ではないのです。
 また、熱帯雨林は自らも雲を作り雨を降らせていると云われています。
つまり膨大な木々から発散される呼気が雲となり、やがては雨となって
密林に降ってくるのです。大きな水の循環のようなものが形成されて
いるようです。

 そう言えば私が見た南米のイグアスの滝の絶えることのない膨大な
水はこうして生み出されたものかも知れません。ものすごい水が一時
の休みもなく流れ落ちているのです。その水の量には圧倒されるような
迫力があります。

 密林を伐採してしまうとこの循環が断ち切られます。そこは広漠たる
砂漠と化してしまいます。今のインドネシアは乱伐と開墾という二重の
不幸によって密林が死んでしまったのではないでしょうか。

 密林は色んな動植物の命を育むところです。その密林が伐採され火を
放たれると、そこにある命は総て断ち切られてしまいます。その放たれた
火が地下に眠る泥炭層に火を付け消えることのない炎となって燃え続けて
いるようです。まるでガイアの断末魔のような叫びが聞こえてきます。

 そして、燃え続ける泥炭層からは膨大な二酸化炭素が大気中に放出
されているのです。その量は日本が一年間に放出する量を大きく上回る
と云われています。実に恐ろしい事です。

 こうした事は、人がやってきたことに対する自然からの反撃のような
気がしてなりません。インドネシアの乱伐は私達の建築用材や洗剤など
の原料である椰子油に変わっています。

 一方、ブラジルでは広大な密林が伐採され、大豆畑に変わっています。
この大豆はアメリカの巨大企業によって日本や中国に運ばれています。
大豆の消費があるから、その地へ大豆を売る。その大豆を作るために
熱帯雨林が消えているのです。その面積もまた膨大なものです。

 何かしら中国からの割り箸の輸入に似ているようなはなしです。
世界各地の密林や木々を奪うことに日本人の日常生活が大きく関わって
います。私達の快適さや便利さや豊かさの背景には各国の熱帯雨林や
マングローブの林を死に追いやって成り立っていると思うと他人事
では済まされません。
(実は、バーベキュー等に使っている安い輸入の炭はマングローブの
木々から作ったものがあります)

 今すぐにでも私達の生活を根底から見直し、昔のように自給自足や
地産地消に切り替えて行かなければならないように思います。そう
しなければ、いずれは私達自身にも大きな付けが回ってくることは
間違いないでしょう。

 このようにして地球は一番大切なものを次々に失っているようです。
こうなると、いつかは許容量を逸脱する日が来るに違いありません。
そうなると加速度的に温暖化が進み最悪のシナリオが待っています。
今年は、西日本一帯では十月に入っても30度を越すような日が続いて
います。日中の太陽は肌を刺すような傷みを感じます。

 この文章は地球温暖化に対し真剣に取り組んでいる仲間達に宛てて
書いたメッセージです。                 
   

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 始まった食料危機? | トップ | 軍事政権の危うさ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事