人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

市長選

2008-05-01 06:33:31 | Weblog
倉敷市長選が終わった。現職市長に対し9000票近くの大差を付け
ての勝利だった。この日は山口県で衆議院議員の補欠選挙があり、
マスコミや衆人の目はそちらを向いていた。従って、全国的にも珍しい
女性候補だというのにマスコミの取材も少なく地味な選挙戦だった。

 現職の壁は厚く、特に現職の地元では各町内会等の半強制的な動員
もあったようで想像以上に熾烈な選挙戦だったと聞いている。それだけ
に新人候補を支持する側としては肩身の狭い思いをしながらの選挙で
あったようだ。

 私達の思っていたより早く当確のテロップが流れて驚いた。そして、
まもなく当選のテロップが流れた。選挙事務所内は一瞬喜びに包まれた。
思えば長い選挙戦であった。労組の選挙しか見たことのない私にとって、
このような地域型の選挙は極めて珍しい経験であった。

 現職に2人の新人候補者が挑戦するという図式であったが、一人は
県議選を狙っての立候補だと聞いているので、実質は現職と新人一人
の一騎打ちという図式であった。現職に知名度の少ない新人が挑むと
言うことは、現職に表立ったスキャンダルでもない限り極めて難しい。

 一般の見方は保守系三人の争いだと映っていたようである。しかし、
現実には混沌とした世情を反映してか、そうでもなかったと私は見て
いる。確かに掲げた公約(最近ではマニフェストと言うらしい)は
同じように見えても、それを約束通り実施していくかどうかが問われて
いるのだ。街の声によると、現職のやってきたことが見えてこないと
言う評価であった。
 新市長としての力量や実行力はこれから試されるわけで、ここでは
期待だけにとどめておこう。しかし、彼女の講演などを聴いていると
並々ならぬ熱意を感じた。これからの政治家は熱意がなければ、幾ら
良い公約を掲げようと絵に描いた餅にすぎない。
 問題は厳しい倉敷市の財政再建をはかりながら、どのように多くの
公約を実行していくかである。何しろ41歳という若い市長である。
体力、気力も満ちあふれている。
 彼女はとても女性とは思えないほどの声量である。この力強い声を
聞くだけでも何かをやってくれそうな気がしてくる。

 隣家の主婦は何かが変わって来つつあるような気がすると言って
いた。それは山口県の衆議院議員の補欠選挙や現職を倒しての新市長
誕生を指しての事のようだ。
 今の日本は極めて幕末に似ている。幕末から明治維新期は描く人に
よって様々な姿を見せているが、一つだけ共通しているのは、現体制
を守ろうとする幕府も、その幕府を倒そうとする薩長連合も決して
一枚岩ではなかったと言うことである。様々な思惑や離合集散を繰り
返しながら混沌とした状況の中で大政奉還が行われ、江戸城の明け
渡しが行われたことである。その後も地方では大小の小競り合いが
幾つもあり多くの血が流された。

 自民党対民主党の攻防も他の野党を巻き込みながら参議院選以来、
激しさを増している。もし仮に民主党が政権を取っても、これから先、
一波乱も二波乱もありそうな感じである。
 それは県や市町村といった地方政府も同じ事である。幕末には大小
を問わず、どの藩も大なり小なり財政事情は逼迫し、莫大な借金を
抱えてあえいでいた。幕藩体制は何をせずしても倒れていたに違いない。

 昨今、自殺者や自暴自棄に陥って殺人に走る人が急増している。
これは一体何を表しているのだろうか。終戦直後、食うに困って自殺
した人はいたかも知れないが、その数は限られていたに違いない。
反面、満たされた時代に人は何故死を選んだり、自暴自棄に陥って
人殺しをしなければならないのだろうか。
 そこに並々ならぬ世情の混乱を感ずるのである。すべてが息詰まった
状態である。行き場のない閉塞感が人の常識を混乱させている。それは
若者だけではなく分別盛りの大人も同じである。
 人は満たされていなくとも希望さえあれば生きていけるのである。
この世の中の閉塞感を解消しない限り自殺者も殺人者も少なくならない
のではないだろうか。
 それを変えることの出来るのは人の意識である。意識の持って行き
所をほんの少し変えるだけで世の中の動きは驚くほど変化するもので
ある。
 それを端的に表しているのが今の国会である。混乱しているのは
国会ではない。政権維持が極めて困難になった自民党政権である。
彼らに大政奉還を促すことが出来るのは実は私達自身である。私達の
意識をほんの少し方向転換するだけで世の中はずいぶん風通しが良く
なってくるに違いない。
 道路特定財源などと地方の首長までもが予算の分捕りに奔走すべき
ではない。倉敷には、ほんの少し天下国家に先駆けて新しい時代の
風が吹き始めている。

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