人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

生き物にとって大事なものは鉄分です

2021-04-01 05:28:45 | Weblog
先の「瀬戸内海環境保全臨時措置法」の一部見直しに関しては
多くの方々が関心を寄せて下さり、フェイスブックでは、
ありがたいコメントまで頂きました。
長文にも関わらずみなさん読んで下さったようです。
ありがとう御座います。少し大事な部分を補足をさせて頂きます。

栄養塩の中で「鉄分」とだけ簡単に触れていますが、
この「鉄分」こそ、海にとっては非常に重要なものになっています。

海の中で常時不足気味なのは鉄分なのです。
単なる鉄ではなく生き物の体に吸収されやすい形での鉄なのです。

一般的には山から川へ流れ込んだ木々の葉が腐り、
その時に葉酸というものが出来ます。
この葉酸に溶かされて出来る鉄分が栄養として必要なものなのです。

しかし、昨今はやたらと上流にダムが増え、
そのために川の流れもままなりません。
時には川が干上がるようなことが起きています。
これでは海まで必要な栄養分が届きません。

海底に沈んだ船の周辺には、たくさんの魚が
住み着いている事は良く知られています。
これも魚たちが海水に溶け出す鉄分を求めて
いるからではないかと言われています。

地球は「鉄の惑星」と呼ばれるくらい大量の鉄で出来ています。
余談になりますが、地球が磁気を発しているのも
地球の中心部は大量の鉄が溶けた状態であることと
関係しているようです。

原始の海は鉄イオンであふれていました。
しかし、原始地球に生まれた炭酸ガスを酸素に変える微生物によって
酸素が大量に作られ始めると、急速に酸化され海底に溜まり始めました。
その結果、海水中の鉄分は次第に少なくなっていったのです。

その当時に作られた酸化した鉄が層になって露出しているのが
オーストラリアなど露天掘りで採掘されている鉄鉱石です。
人間の体の中で大切な働きをしているのは血液です。
血液の中には赤血球と呼ばれる核を持たない細胞があり、
この細胞の中にヘモグロビンと言うものがあります。
ヘモグロビンのヘモは鉄のことで酸素と結合しやすい性質を持っています。
肺に取り込まれた酸素はヘモグロビンによって体の隅々まで運ばれて行きます。

恐らく生物進化の過程で生物が大量の酸素を必要とするようになった頃、
海水に溶け込んでいた酸素と結合しやすい鉄を利用して出来たのが
ヘモグロビンだと思われます。

こうしてみると人間や動物だけでなく、如何に地球上の生き物は
鉄を必要としているかと言うことが良く分かります。
また、それは壮大な生物進化の過程で会得した必然であったのかも知れません。

海にとっても畑にとっても必要な栄養素は、窒素、リン酸、カリです。
その上、海にとって必要なのはイオン化した鉄です。

余談になりますが、輸血用の血液不足をカバーしようと
人工的に赤血球を作り、実用化段階まで来ているようです。
また、植物が吸収しやすい形で作られたのが植物活力剤として
市販されているメネデールです。
コメント
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