575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

自由題のひとくちコメントです。   遅足

2020年01月28日 | Weblog
自由題の自由なひとくちコメントです。

①かんかんと薬缶喜ぶ寒夜かな(遅足)

かんかん。やかん。かんや。「かん」という音が響きあって楽しい。

②伊勝社の門松簡素千年寿(ちとせほ)ぐ(佐保子)

名古屋市昭和区にある伊勝社。門松はなんと松ではなく樫の木。
簡素を古式としても良いかもと。

③按摩の笛地に這い響く寒夜かな(静荷)

按摩さんの笛をきいたことありますか?
作者は、幼い頃に聞きました。寒夜の地を這うように聞こえました。

④邪鬼悪鬼諾(ダク)という端(ハナ)年の明け(結宇)

初夢を詠んだ句。邪鬼悪鬼が作者の初夢に。
どんな夢だったのでしょう。

麗子さんの夢には高木守道さんが、亡くなる一週間前に出てきたとか。

⑤小走りの横断なんと嫁が君(亜子)

嫁が君は新年の季語。ねずみのことです。
本当にお嫁さんと思った人も。(私を含め)大笑い。初笑い。

⑥束ねられ枯菊淡く色のあり(晴代)

最後の最後まで、命を使いきる菊の生命力。しかも美しく。
かくありたいという作者の思いに共感する女性陣あまた。

⑦少年のしたり顔して年賀かな(狗子)

狙いはお年玉。おばあちゃんはお見通し。

⑧恋みくじ結び方問ふ野球帽(千香子)

作者の実体験からできた句。
少年から、「アイシヌク・・・てどういうこと?」ときかれたそうです。
愛?死ぬ?  愛しぬく、です。

⑨凍し月先客多し赤提灯(能登)

仕事の終わるのが遅かったかな。赤提灯は満員。
でも、いつの間にか座って・・・。月が笑っています。

⑩オリオンの赤き最期の瞬きか(麗子)

天文好きの狗子さん、麗子さんで話がはずみました。
640光年ってどのくらい離れてるの?
それでもバクハツとなると近いの?地球は大丈夫ですよね?

⑪なつかしき賞状照らす初明り(郁子)

変色したような賞状が実家にいつまでも飾られています。
ささやかなことでも親にとっては嬉しく誇らしい。
そんな親ごころに感謝です。

⑫初弘法善男善女てふ澱み(等)

善男善女が密集している様子を澱みと表現しました。
そこにどんな思いがあるのでしょうか。

⑬房総の 長き寒夜に 二度寝せし(紅)

冬でも暖かいといわれる房総半島。
去年は災害に見舞われてしまいました。
長い寒夜は二度寝してに、共感。

⑭虎落笛 息衝く調べ ニ短調(殿)

虎落笛<もがりぶえ> 冬の風が竹垣などに吹き、生じる笛のような音。
語源の由来。
1.戦いの防柵。
2.竹は表面が滑り虎が落ちてしまうので虎落。
3.虎が獲物を狙うときに漏れる息の音。
など諸説さまざま。この句は3で詠んでみました、と作者。

⑮小豆粥甘辛変えて食進む(すみ)

味付けを変えれば美味しく食べられます。母の知恵です。

⑯天を射る冬芽突き上ぐ枯れケヤキ(竹葉)

ケヤキの林が空に向かって突き上げるように立っています。
枝には冬芽が天を射るように。
見た目には枯れ木のようですが、命はじっと春を待っています。

⑰雲降りて冬の保津峡静かなり(幸泉)

冬の保津峡。厚い雲が降りてきます。静かです。
夏とは違った冬の観光地を発見した句です。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 初弘法善男善女てふ澱み  等 | トップ | なつかしき 賞状照らす 初明... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事