575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夕月夜みやらびの歯の波寄する  沢木欣一

2016年05月17日 | Weblog
沖縄本島の最北端、辺戸岬。ここに沢木欣一さんの句碑が。
沢木さんは社会派と言われ、代表句は

塩田に百日筋目つけ通し

です。昭和43年、復帰前の沖縄に一か月余り滞在。
5年後に「沖縄吟遊集」という句集を発表しています。
みやらび、とは沖縄の言葉で乙女のこと。自解によれば、

 海の白波は乙女の歯にたぐえられ、美人の形容になっている。
 健康な美的感覚。沖縄の月は明るい。月下の波の穂の鮮やかな白さ。

句集には、この他

 鎮魂へなぎさを素足にて歩み

 月光に魚泳ぐ見ゆ盆の海

など、沖縄戦で亡くなった多くの沖縄の人々への鎮魂歌も。

           

句碑は、大石林山に向かって建てられていました。
この山は、沖縄の創世神話に関わる聖地とされています。
天帝から下界に島をつくるように命じられたアマミクの神。
国頭(やんばる)に降りてみると、島はまだ波の下。
そこで、天帝から土と石と草と木をもらって、島建てを。
まず、国頭をつくったと伝えられています。

写真は句碑のある辺戸岬から見た大石林山です。  遅足


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