575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

遠蛙夢にブレーキかけし声  晴代

2019年06月02日 | Weblog

夢にブレーキをかけたのは誰だったのでしょう?
夢をみたのは、いつ頃のことだったのでしょうか?

私にも若い頃には夢があったと思うのですが・・・、
どんな夢だったのか?もう思い出せません。
しかし作者には諦めきれなかった夢があったようです。

俳句にはあまり馴染みのない「ブレーキ」という言葉。
そのせいか後悔といった心情が色濃く感じられません。
事態を俯瞰する冷静な目が感じられます。

遠くから聞こえてくる蛙の鳴き声。
そのなかから別の声が聞こえてきます。
夢を追いかけた若い頃。諌めるようにブレーキをかける声。
さまざまな感情も、今は濾過されて透明に。
記憶のなかから聞こえてくるのは遠い「声」です。

メカニック言葉が句にクールな効果をもたらしています。(遅足)
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1 コメント

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斬新な印象。 (殿)
2019-06-02 17:51:59
「遠い蛙の鳴き声により夢の途中で目覚めた」と解釈。「ブレーキ」擬音を彷彿とさせ斬新な印象。しかし「かけし声」とは誰の声なのか。主語が曖昧な気がします。
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