575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

班雪(はだらゆき)七十一に手の齢    遅足

2014年02月09日 | Weblog
  はたらけど
  はたらけど猶わが生活楽にならざり
  ぢっと手を見る

石川啄木の有名な歌です。

赤ちゃんの紅葉のような手。
若い女性の白魚のようなほっそりした手。
亡くなった叔父さんのようにゴツゴツした農民の手。
工場で働く人の油の滲んだ手。
ペンより重たいものは持たなかったという父の手。

手は、文字を書き、ご飯をつくり、子供を抱き、水仕事をして・・・。
さまざまな人々の、さまざまな生活を語っています。

  おしゃべりもだんまりも吊皮に地上に向かう最終電車

一日の仕事を終えて帰宅する手、手、手・・・も。

私も啄木にならって、じっと手を見ました。
班雪は、まだらに降る雪、まだらに残った雪。春の季語です。
名古屋近辺はまだ雪が残っています。
東京は大雪のあと、都知事選の投票もあります。
手ばかりでなく、足元にも、十分ご注意を。



コメント
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