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575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

句会の最終結果です。

2009年08月20日 | Weblog
8月句会の最終結果です。
立雄さんの選句が届きました。


題詠

①水澄みて隠れた蟹と目を合わす(能登)童子・結宇・静荷・郁子
②水澄みて大気の吐息写しおり(郁子)晴代
③水澄みて執行猶予ゆらゆらと(朱露)亜子
④水澄んで水輪の真中魚の群れ(晴代)愚山・狗子
⑤水澄むやピースピースと鳥の声(亜子)能登・狗子・静荷
⑥水澄みて草の香りの星に住む(麗子)鳥野・愚足・能登・晴代・静荷
⑦水澄みて生けるが如き木立かな(立雄)愚山・静荷・亜子
⑧水澄むにまかせて不破の関の址(遅足)立雄
⑨水澄みて奥の細道結ぶ地は(愚山)郁子・麗子・遅足
⑩水澄みし眼科を辞して米をとぐ(愚足)童子・朱露・結宇・郁子・麗子
⑪門入れば無住の堂に水澄みぬ(結宇)鳥野
⑫水澄むや動かぬ蟹の白い腹(狗子)鳥野・朱露・愚足・能登・結宇・晴代・麗子・遅足・立雄
⑬何事もなかりしがごと水の澄む(静荷)愚山・朱露・愚足・狗子・立雄


自由題

①裏座敷蝉蕩尽の一日かな(結宇)朱露・静荷・遅足
②生命や月下美人の花が咲き(麗子)愚山
③木槿さく隣国ひとつにを願ふ(晴代)童子・狗子・亜子・麗子
④馬になり去年より重し孫の夏(立雄)愚山・能登・結宇・郁子
⑤朝顔や母といてまず死ぬ話(遅足)鳥野・朱露・能登・静荷・亜子・麗子
⑥流れ着く茄子の供物や天の川(能登)愚山・遅足
⑦炎天に蟻群がりぬ欲の塊(郁子)愚足・狗子
⑧酸漿の鳴るくちびるに耳寄せて(亜子)愚足・能登・結宇・晴代・静荷・立雄
⑨父と母この居間で逝き夏すだれ(愚足)童子・鳥野・朱露・結宇・狗子・晴代・亜子・郁子・麗子・立雄
⑩お囃子に合わせ下駄鳴る郡上の夜(愚山)
⑪六畳の裸電球秋暑し(狗子)鳥野・遅足
⑫端居してこれぞ極楽あまり風(静荷)愚足・晴代・郁子・立雄



次回は9月16日(水)午後6時 安田屋

題詠は「秋」です。秋袷・秋麗・秋草・・・・などなど、「秋○○」と

「秋」のついた季語なら、なんでもOKです。



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水澄みし句会    麗

2009年08月20日 | Weblog
句会が終わって外に出たら秋の涼風に吹かれ季節の移ろいを
実感しました。

「水澄む」という575の会では初めての兼題。
偶然にも2匹の蟹が顔を出しました。ユーモアあふれる生きた蟹と
静かにその一生を終えた死んだ蟹。
生死のドラマがここにもありました。
トップ賞は狗さんの

    水澄むや動かぬ蟹の白い腹 

でした。

自由題では愚息さんの

   父と母この居間で逝き夏すだれ

が圧勝。思えば最近は自分の家で最期を迎えるのは難しくなっている
住宅事情と医療事情。
こういう俳句も次の世代では生まれなくなるかもしれませんね。
それにしても夏と死はなぜか深い関係があるような。
終戦のせいかお盆のせいでしょうか。
人間にかぎらず蟹・セミ・蟻・月下美人と生命の終わりに目が向きます。
それでも死を詠むうちはまだ死が遠いという含蓄のある遅足さんのお言葉。
笑いのうちに極楽のあまり風が吹いた一夜でした。
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