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生活と仕事

2012年06月05日 | 資本と社会の問題
生活とは、何でしょうか?

広辞苑では、生存して活動すること、生きながらえること、世の中で暮らしてゆくこと・・だとか。

仕事とは、何でしょうか?

仕事とは、どのような意味を持っているのでしょうか?

自分のやりたい仕事を持っています。

働く事に意義も感じています。

生活してゆくには、仕事が不可欠なのは言うまでもありません。

病気や怪我で入院して、しばらく休まざるをえない場合、普通は、不安や寂しさを覚えます。

「サルがヒトになることに、労働はどのように関与したか?」経済学者エンゲルスの一節です。

直立に歩みだした人類の祖先は、手を自由に使い、新しい技能を次々と得ることに進化しました。

労働という仕事は、人間の能力を発達させてきたのは、歴史的事実です。

人間の労働は、自然まかせの狩猟や採取の段階から、言語を持ち、人間が主体となる社会的集団労働に発展しました。

集団での多面的な労働を構築して、計画的な分業協業による組織性が生まれてきます。

こうして、仕事は、社会的な性格を備えるようになりました。

仕事は、人間の自己実現の場であり、社会への参画でもあり、生きがいにも相当することにもなります。

「仕事は、人間生活の第一の基本条件」は、揺るぎない事実です。

封建社会の時代、身分制度のもとで、農民は農民、商人は商人として、与えられた身分職業を全うするほかありませんでした。

近代となり、資本主義社会は、身分制度を廃止して、強制的に縛られていた人間を解放しました。

自らが、職業の自由を選択できるようになったのは、誰もが知っています。

それでも、なぜ?

仕事が苦しいという生活感覚が、現われてくるのでしょう。

資本主義社会の矛盾です。

現代社会における、失業問題、ホームレスの増大、日雇い労働者の高齢化、派遣労働の有期雇用、低賃金、農業の低迷、商店街の衰退、巨大企業と中小企業の格差拡大等々・・貧困、生活困難の社会問題が浮かびあがります。

例えば、先進国の多国籍企業が、途上国の安価な労働力を使って生産しています。

社会は、不変ではなく固定的なものではありません。

絶えず、変化、発展してゆくものです。

ただ、その変化、発展の本質を考えるのも大事です。

仕事が苦しくなるのは、労働者による労働する過程で自主的管理、利潤獲得範囲での裁量があるにせよ、それ以上のコントロールを、自分では、できないからです。

消費者に生産物を購入させて利潤をあげるだけの労働仕事・・。

消費者に生産物を使用して、より豊かになってもらう労働仕事・・。

自ら考えて判断できる人間としての労働意欲ではなくて、資本・経営側による最終判断を委ねるような疎外されて、労働に従属されているような現実社会の状況です。

現場の自由を制限して、管理ばかりが強化されると、自律性も自立性も失われてゆきます。

自立的で自由な思考、発想、精神を失った仕事や生活は、楽しいはずがありません。

イライラよりもワクワクする・・労働者が、労働過程での適切な労働時間、適切で安全な労働内容、環境を備える社会の実現を備えるのが、社会福祉が充実した先進国としての基本条件かと考えます。