転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
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本当は怖い都会の人
雑日記
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2011年02月21日 13時30分27秒
「都会の男は怖い」と思う瞬間9パターン
(スゴレン)
【1】街なかでキャッチされるなど、全く知らない人に気安く話しかけられたとき
【2】スマートに食事を奢ってくれるなど、女性の扱いになれているとき
【3】地方に住んでいると言っただけで、積極的にアプローチされたとき
【4】お金のかかる遊びに積極的で、金遣いが荒いとき
【5】電車が1~2分遅れるだけですぐイライラしているとき
【6】オールナイトで遊びまわるなど、深夜の外出も平気なとき
【7】歩いてすぐの場所にタクシーで行こうとしたとき
【8】早口の標準語でキレられたとき
【9】「日本に将来はない」など、妙に冷めた発言をしているとき
私は18歳のとき初めて生まれ故郷の村を出て東京に行った。
肥満していて、態度もデカく、しゃれっ気のカケラもなかったので、
一目でわかる「いなかもん」だった(今もそれは改善されていない)。
それで、はてさて、『都会の男は怖い』と思った経験が
当時、どのくらいあっただろうかと、思い出を辿ってみた。
…………ら、どうも、ないようだった(爆爆)。
というより、私はほとんど男性から省みられない女だったので、
そもそも、『都会の男』との付き合い自体が、かなり少なかったのだった。
【1】みたいな出来事は、私のような者でも、確かにあった。
大学1年の夏のこと、渋谷駅の階段で、全然知らない若い男性が、
「あっ、こんにちは!」
と笑顔で声をかけてきて、私は立ち止まり、まじまじと相手を見て、
「あのぅ、……どちら様でしたっけ?」
と真顔で訊ねたものだった。
どちら様でもなかった。ナンパしとっただけだった(汗)。
東京には見知らぬ人が山ほど行き交っていることは知っていたのだが(爆)、
うちの田舎では、何代も前から村じゅうが親戚なものだから、
『知らない人』が親しげな声を出す、ということ自体が想定外であった。
そのような有様で、日常的に、相手にしてくれる男性が少なかったうえ、
通っていた学校も西のほうにある女子大だったために、
【2】と【4】は、直接に観察する機会がほぼなかったと思われる。
男女集まって大勢で行くときは、居酒屋ばかりだったし。
【3】は、私の出身地の『地方』がどんなところかを話したために、
相手に『どんびき』されたことは、あった。
都会育ちの洗練された男の子には、80歳過ぎのおばーさんが木をナタで割り、
それを燃して焚いた五右衛門風呂に、父が歯を食いしばりフタを踏んで飛び込む、
などという生活は、映画の中でしか見たことがなかったようだ。
うちの村では、長さの単位としてメートル法が浸透していなくて、
1メートルのことを「一いのしし」、30センチは「一うさぎ」と言う、
と言ったら、信じられた
(これで行くと、今の娘の身長は「一いのしし二うさぎ」くらいだな)。
【5】は別に都会育ちのせいではないだろう。
バスも鉄道も来ていないうちの田舎にだって、祭りの「俵もみ」の日、
待ち合わせの10分前に、指定のあぜ道に出て、貧乏揺すりをしながら待っている男、
というのは、いた。基本的には個人の性格の問題だと思う。
ただ日常的に、分刻みで正確に来ることが当然となっている日本の鉄道は
世界水準で見ても優秀だから、それが来ないとなると、
一体どうなっているのか!と心が波立ち、イライラする、
というのは、理解できないことではないと思う。
【6】は私自身に関しても、感じることだ。
都会、特に東京にいると、夜9時や10時など「これから遊ぼう」という時間だ。
これが広島に帰ってくると、8時過ぎたら、もう遅い。
なにしろ本通り商店街が9時には閉まって、人通りが目立って減って来るし、
バスセンターから出る最終バスも、大抵10時台には終わってしまうからだ。
実家の村などになると、日が落ちたら間なしに、
もう、ほとんど家の人が寝ている感じで、どこも、しんとしていたものだ。
まあ多分、今時はテレビやパソコンなどが行き渡っているので、
若い人でなくても、夜更かしする村人がいるだろうと思うが、
それにしても、うちの村からだと今でも、飲み屋なんかは、
最低1時間くらい歩いて隣の町まで行かないと、無いだろう。
【7】は男に限らず、都会人の特徴かもしれない。
『怖い』とは思わないが、「なんちゅうアカンタレなのか」とは思う。
積雪が膝まである日ならともかく、30分や1時間くらいの距離なんて、
単に歩けば済むことだろうに、なぜいちいち車に乗るのか。
私は今でも結構歩くが、若い頃は人並み外れて健脚だったので、
怪我でも病気でもないのに歩けない男なんて、「ヘタレ」だと内心で馬鹿にしていた。
うちの村では、どこの墓も、車道なんかついていない山の上にあるのだぞ。
私は態度が尊大な割には気が弱いので、【8】みたいなのは怖いと思う。
実際にはキレられた経験はないが、相手の迫力によっては平身低頭して謝るだろう。
尤も、うちの父はばりばり広島弁で、母は関西弁ネイティブなので、
実家で使用される方言は、考えてみたらヤクザ映画の二乗だった。
「わりゃ、なにしょんなら」「いてもうたろか」
の世界が手に届くところにあったので、私の言葉使いも大概かもしれない。
【9】よりも、私は、新お茶の水駅の手前で、
『きょう会った人の健康と幸福を祈りましょう!』
と、それこそ全然知らない人から物凄く明るく誘われたときのほうが、
すげー、都会すげー、こえー、と思った(汗)。
うちの田舎ではそんな思い切った行動をする人は、いなかった。
もしやろうものなら、たちまち村じゅうの評判になり、
「秋祭り」や「とんど」に出て来にくくなるし、
同行(どうぎょう)の葬式のときにも、声をかけたものかどうかと
周囲がさんざん噂するだろうから。
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