転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



クラシック音楽方面の道楽者が集まって作っている、とある同人誌に
私はこれでもう、どうかすると二十年近く、参加しているのだが、
そこで年末に必ず書かされるのが、「今年のベスト5」だ。
去年の12月から今年の11月までの間に聴いた・観た中で、
自分として気に入ったものベスト5、
それがなければ、怒り狂ったものワースト5を、2000字程度で書くのが慣例だ。

主宰者のU女史が江戸中期の劇文学を専門とする研究者なので、
ここでの話題は、クラシック音楽だけでなく、歌舞伎もOK、ミュージカルもなんとなくOK。
私も遠慮無く、自分の一年間の道楽の記を、毎年書かせて貰っている。
今年は、何にしようか、と年末に一年間のお遊びをふり返るのはなかなか楽しい。

・・・・が。
最近は、介護生活に突入してしまい、以前ほど生の舞台に触れることが出来なくなった。
ベスト5どころか、生舞台に絞ると、観たもの・聴いたもの自体が5本、
ということになりかねない。
さらに、和央ようかが公演しているときはどうしても宝塚を観てしまうので、
一ヶ月に広島~宝塚を4往復、などとやっていると、
ほかのジャンルには、なかなか手がまわらない。

一位は3月に宝塚大劇場で観た宙組公演「傭兵ピエール」で~
二位は11月に宝塚大劇場で観た宙組公演「白昼の稲妻」で~
三位は8月に博多座で観た宙組公演「鳳凰伝」で~
四位は去年12月に大阪ドラマシティで観た宙組公演「聖なる星の奇蹟」で~
五位は4月にホテル阪急インターナショナルで聴いた「和央ようかDS」で~

・・・とやっていると、いくらなんでも「ええ加減にせんかい」と叱られそうだ(^_^;)。
っていうかこれってホントに、
『介護生活に突入してしまい、以前ほど生の舞台に触れることが出来なくなった』
人の実態かね。

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実はここ数ヶ月、私は右の耳の耳鳴りに悩んでいた。
……いえ、嘘。悩んではいなかった。が、気に掛かっては、いた。
それは、ひよ~ひよ~と「二度」の音程を保って行ったり来たりする耳鳴りで、
まるで娘の縦笛のような響きだったから、決して、音楽的に愉快なものではなかった。
そればかりか、今朝、私は実に久しぶりに、婦人科系の不正出血を見た。
これはもうだめだ。医者に行かねば。

5年ぶりくらいの婦人科受診。
エコーで診ると子宮筋腫が発見されたが、
今のところおいといてもいい、ということで、
それより滑稽だったのがポリープ。これが出血の原因だったのだが、
モニター画面に映し出されたそれは、子宮の入り口から、
びろろ~んとベロ出したみたいにはみ出していたのだった。
先生いわく、
「これは氷山の一角です。本体は、まだ中にあります。今から取ります。」
不思議なかたちのベロベロが画面に映っていたのに、
いざ取る、ってところでモニターを消されてしまった。ああ残念。
私はああいうものが見られるものなら見たかった。
何をされているかわからないほうが怖いので。
が、なんにせよ切除は短時間で、とても簡単だった。痛くも痒くもなく。
頸管粘液は培養検査に出すということで、子宮癌の危険があるかないかの回答は次週。
そのときついでに乳ガン検診もやって貰うことにした。
今まで一度もしたことがなかったので(^_^;)。

つづいて、ダブルヘッダーで耳鼻科に行った。
ティンパノメーターで鼓膜の振動を見たが異常なく、
オンサとオージオメーターで念入りに聴力検査もして貰ったが、これも異常なく、
「悪いところがみつからない耳鳴りが、いちばん、なおらないんですよね~」
と先生は溜息をつかれていた。
いえ、悪いところがないとわかれば、それで良いのです。
脳腫瘍か、良くしても聴神経鞘腫かなんかかと思って、ビビっていたので。

「ついでに、花粉症の季節の前に、鼻のレーザー焼灼をやって頂けませんか」
と尋ねたら、
「炭酸ガスレーザーは普及して5年くらいで、まだ臨床例が少ないから、
繰り返し照射して鼻の粘膜に異常を来さないかどうかは、不明なんですよ。
そりゃ一応、現在のところ副作用は認められていないということになってますがね、
最悪、悪性病変に発展しないかどうかとかね、絶対にないとは言えないですよ。
あなた3年前にしているから今度したら二度目ですよね、
何回が上限かははっきりしないんですよ」
……等々とオドされてしまった。
ちっ。鼻の癌ってのもノーマークだったけど、確かに怖いわね。
じゃ、やめとくか……。

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こう道楽の種類が多いと、
道楽と道楽が思わぬところでリンクしてしまうことが時々あって、
熊川哲也の舞台を見に行ったら、後ろでピアノを弾いていたのは宮川彬良だったとか、
宝塚の舞台を観ていたら和央ようかが、私のかつての贔屓だったゴダイゴの曲を歌っていた、
等々、これまでいろいろと、嬉しかったり困ったりする組合せに出会ったものだが、
今回はまた、自分でもかなり驚く顔合わせが、いつのまにか実現していたことを知った。

それは、映画「チョムスキー 9.11 Power and Terror」の音楽担当が、
忌野清志郎だった、ということだ。
http://www.cine.co.jp/

私は大学時代に言語学専攻だったので、Noam Chomsky氏の著作には大変お世話になった。
彼が唱え始めた普遍文法の枠組み「変形生成文法理論」が、当時大流行していて、
私は主としてそれを、形態論の分野で、大いに利用させて貰い、
卒論は、日英対照言語学においての、生成文法理論の枠組みによる、
語形成(接尾辞付加)をテーマにしたものだった。
彼の1968年の論文Sound Pattern of Englishが世に出ていなかったら、
私の卒論もなかった(爆)。

その、チョムスキーは、言語学のみならず、社会学・政治学の方面でも、
彼独自の理論を展開し、次々と世に著作を送り出しているのだが、
例の、9月11日のテロ事件をテーマにした彼の文章を映画化したものが今回の企画で、
監督はジャン・ユンカーマン、スタッフはかなり国際的な顔ぶれとなっており、
その中で、な、なぜか音楽担当が、キヨシロー(激爆)。

キヨシちゃんといえば、私は、82年の「い・け・な・いルージュマジック」の頃からファンで、
RCサクセションの全盛期には、夏には日比谷、冬には武道館のライブに欠かさず行き、
毎回熱くコブシを突き上げ、髪を立てて踊り狂い、完全燃焼していたものだ。
やがてRCサクセションが空中分解のようになった頃、私も更生して身を固め(^_^;)、
キヨシちゃん自身が、いつしか業界の大御所のような存在になってしまい、
私としてはなんとなく、一頃ほどの熱さが持てなくなっていたのだが、
今、こんなところで、チョムスキー先生との邂逅が成っていたとは、
本当に感激もひとしおである。

そういえば、キヨシちゃんはCD「COVERS」の頃から、反戦ソングを歌っていたな。
「チョムスキー 9.11 Power and Terror」の音楽も、是非、聴いてみたいものだ。

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今でこそ、介護生活のために一戸建ての家に落ち着いたけれど、
これまでの結婚生活は、転勤につぐ転勤だった。
現実問題として、行った先によっては、狭い官舎をあてがわれることもあるから、
大型家具は少ないほど良い。
が、その機能性重視の典型のような住宅プランで暮らしている我々が、
ただひとつ、転勤先へと連れ歩いた場所取り家具(?)、それが私のピアノだ。

私のだから、夫には頼らず、私の虎の子を頭金に、ローンで買ったものだ(^_^;)。
それでも、やはり道楽者なので、張り込んで「木目」にした。
実家で長年弾いていたものより、ひとまわり小さいのだが、
自分で選んで買ったピアノなので、愛着もひとしおだ。

そのピアノの上に、私がいちばん先に飾ったものが、
イーヴォ・ポゴレリチのサイン入り写真。
ポゴレリチは私にとっての、ピアノの世界を決定的なものにしてくれた、
神様に等しい演奏家だ。
私の演奏を聴かされる写真のポゴたんは辛かろうが、私は幸せだ。
私は彼が、ショパンコンクールで物議をかもした頃から知っていて、
初来日も覚えていて(残念ながらじかに聴くことは出来なかったのだが)、
88年以降は来日公演のたびに聴いていて、
畏れ多くも彼とは英語で直接話したことがあり、
ロンドンの彼の家まで行ったこともあり(が勿論、外から眺めただけ!)、
ワシントンDCの議会図書館へ、彼に関する資料収集のためだけに二度も行ったのだ。
正気の沙汰ではない。イタい、と笑いたければ笑いたまえ。
だが、それほどに私は彼に魅せられているのだ。
昨年など、彼の演奏が収録されている、というだけの理由で、
学研から出ている『ワルシャワの覇者』DVD31枚組を買ったのだ(ローンだ(^_^;))。
http://musik-platz.gakken.co.jp/special/chopin.html

「四十代になったら、自分の思い通りの演奏をしてみせる」
と二十年以上前に若きポゴレリチは豪語していたものだが、
実際にその年齢に差し掛かる頃、彼は最愛の妻を失い、神経を病み、
演奏家としては危機的な状況に陥ってしまった。
現在の彼はどうしているのだろう。
日本の辺境でおばさんがこうしてひとり、彼に熱く思いを寄せ続けていることを、
………想像して欲しいワケではないが、その思いに答えてくれるような、
何か、来日公演か新譜発売の企画でもあったらいいなぁ、と切に願っている。

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我々が住んでいるのは佐伯区にある、主人の両親の家なのだが、
それとは別に、我が家は中区の官舎も借りている。
舅姑の介護と看病の必要があったので、生活のメインは佐伯区にしているのだが、
結婚以来、今までの転勤先で使っていた家財道具の置き場が要るし、
主人の仕事上の必要もあって、中区の官舎のほうも、
最低限ではあるが、生活の場として機能するようには、なっている。
行くのは、月に数回、という程度だけれど。

その官舎が、このほど改築されることになった。
いま居る棟は1月末には全面改修工事に入るので、我々はその頃には
さきに改修の終わった別の棟に、移らなければならないと役所から言われている。
その移転のための費用は、職場のほうからは、出ない(爆)。

が、私には楽しみも、ある。なにしろ、改修の成った棟に移れるのだ。
少なくとも内装は真新しく、そのぶん美しく、気持ちの良い部屋になっている筈だ。
私はそこで、私の道楽のひとつであるインテリアに、いくらかでも凝って、
ささやかではあるがこの「別宅」を、多少とも綺麗に整えたいと思っている。

私が本当に好きなスタイルは、たとえば↓のような、
http://www.princesshouse.co.jp/top/IE_top.htm
クラシカルで豪奢な雰囲気のものなのだが、
つましい官舎暮らしでこれを実現することは、どうやっても難しいと思うし、
またそこまで手を入れるのも無駄が多い気がするので、
今はまだ、プリンセスハウスの実例本は、私の夢の絵本でしかない。
が、将来十億円でも当たったら(?)是非、こういうインテリアを実現させたいから、
今から勉強はしておこうと、日々、空想の世界で計画だけはしている。

もう少し現実的な線として、私がよくお世話になっているのが、↓で、
http://www.countrycurtains.com/index.jsp
今度の新しい部屋でも、また新しいスタイルに挑戦してみたいと思っている。
ファブリックは収納に場所が要らず、かつ、部屋の雰囲気を決定する力が大きいので、
洋服を着替えるようにカーテンを替えるというのが、私の好きなやり方だ。

・・・のためには、先立つものが、要るのよね(^_^;)。
『カネは?あるのか?』・・・byジョー・ガーナー(『カステル・ミラージュ』)

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広島厚生年金会館にて「松竹花形歌舞伎」昼の部を観る。
メインが橋之助、脇が信二郎、亀鶴、亀蔵という、
非常に若く、かつ、地味なメンバーによる巡業だった。
演目は「弁天」「口上」「茶壺」。
地方だからか、大向こうも来てないし、観客の拍手もばらばらで、
口上のときなどあまり寂しいので「成駒屋!」「萬屋!」と心の中で言ってあげた(^_^;)。

橋之助は、テンポが良くて、観客の息づかいに答えるような芝居をする人だなと
改めて感心した(というと、とてつもなく偉そうだ私。すみません)。
「おいら 尻尾を出しちゃうぜ」
「あっちは ほんの 頭数~」
と口をとがらせるようにして言うところなど、
橋之助の表情と客席の笑いの呼吸がピッタリで、実に面白かった。
最後の、花道前の南郷力丸との間柄も、独特の友情が感じられ、
かつ、弁天の少年らしい純情さや素直さまで出ていて、
とても表情豊かな、人間的魅力に溢れた弁天だったと思う。

客席はどうみても、普段それほど歌舞伎に慣れているとは思われない、
実に素朴な観客がほとんどだった。
開演中、常時あっちでもこっちでも誰かが喋ってる。遅れて入場する。
空いてる席に移動したくて立ち歩く。
席では遠慮無く前のめり。子連れ・孫連れ、奇声あり、飲食あり。
『上演中の写真撮影、録音等は、舞台効果の妨げとなるばかりでなく、
ほかのお客様のご迷惑となりますので……』
とお決まりのアナウンスが休憩時になされていたが、
ダイジョブ、そんなツールを使えそうな人々は、きょうは来てなかった。
多分、観客平均年齢60歳前後。

それでは、今日の観劇は、最低だったのか?
答えは、否、だ。なかなか楽しい観劇だった。
そのおよそ傍若無人な観劇態度で、彼らは、存分に、舞台を楽しんでいたから。
演目についての予備知識とは無関係に(と思われるのだが)、
ちゃんと、芝居の見どころを理解しているし、遠慮無く笑うし、
面白ければ盛大に拍手喝采、きちんと最後まで芝居について行って、
誰も彼も、ほとんどの観客が、全く構えることなく、ひたすら楽しんでいた。
普段着で来たおじーさんおばーさんが、ただただ、芝居を芝居として面白がり、
人の迷惑も顧みず(^_^;)、のびのびと遊んで行った3時間だったのだ。

ちょっと娯楽の原点をみた気分だった。

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この日記には、私の道楽の数々についてのその日の思いを、
頭に浮かぶままに、書いて行くつもりです。
とんでもないものや、訳のわからないものが
脈絡もなく、毎日、突然出てくることになると思われますが、
読んで下さる方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願い致します。


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